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「デジタル移民」を検討してみた #コロナ時代の生存戦略

私はフリーランスのアーティストというビジネス事業者としてはややマイノリティな業態で働いているのですが、他の多くの業種と同様、展覧会や文化イベントといった我々の仕事の場においてもCOVOID-19の影響は今後避けられないだろうと覚悟しています(直近でもひとつ展示が公開中止に……😭)。

そういった状況のなかで気になるのが政府の対応ですが、様々な国が感染症という同一の課題に一斉に当たっているので、各国対応の落差が浮き彫りに……。特にドイツ政府の文化関連事業者、個人事業者への手厚い対応は国内でも話題になっています。

日本においては下記のような企業の労働者の雇用を守る助成金はある模様ですが(すごく良い制度だと思います)、現状でフリーランサーへの給付型の支援は発見できず。


一応アーティストは基本的に店舗や従業員をかかえている事業者さんと比べるとものすごく固定費が流出する業態ではないですし(しかし材料費や外注費などなど出ていく経費は多く、さらにスタジオを持っていたりスタッフさんを抱えているとその限りではないですが)、
イベントを主催する事業者のように会場費や払い戻し等々、億単位での巨額の債務は発生しにくい立場ではあります。
そして取引先企業の経営悪化は我々フリーランスにも確実に影響があるので、企業の雇用の保証があるのは、まあ良かったなと言う感じですが……

それにしても他国と比べての個人事業者への保証のあまりの薄さ、行政のフリーランスという働き方への理解の粗さに、文化セクターの自営業者として日本という国で働くのは、かなりハードゲーだったのでは?と改めてこの機会に気付いたりしました。欧州で展示をすると、アーティストがすごくリスペクトされていることに驚くことが多々あるのですが、そういった文化的背景は有事のときの保障にももろに反映されそうだなと。

いろんな国の対応方針や社会的背景をこの機会にチェックして、長い目でみて活動拠点にし、納税する国をクリエーターは比較検討したほうがいいのかもと思い始めています。

「e-Residency=仮想居住権」という概念

そんな時、前に複数のフリーランサーや経営者とZoomでオンラインお茶会していたときに「ふるさと納税の国バージョンがあったらいいのにね」という話をしたのを思い出しました。いくらかを特定の支持する国に納税する代わりに、特典を得られるという……あまり現実味のない話かなとは思っていたのですが。

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その場に居合わせたunique代表の若宮和男さん曰く、「エストニアのe-Residencyとかが近いかも?」とのこと。おお、なんだそれは……!?

中央集権型国家主権とは正反対の動きがやはりEUで進んでいる。エストニアでは電子国家化を急速に進めており、その思想は急進的だ。もはや土地にしばられない新しい国の形の模索として、サイバー空間上でe-Residencyと呼ばれる電子居住権を発行している。
なんと日本からでも申請し、パスポートを大使館に持っていけばエストニア住民になれるのだ。世界中の誰もがエストニアで銀行口座を作ったり、会社を登記し、ビジネスをできるようになる。その行動データは世界中の電子市民のものなのだ。

物理的には小さな国であるエストニアにおいて、政府が外国の居住人を「仮想住民」として認め、「電子居住権」を与えるという斬新な行政システムのようです。グローバルフリーランサーを取り込み、国を活性化させる施策とのこと。

今の所わたしは基本的に日本で事業を営んでいるのですが、EU圏の美術館や文化施設等とも若干のお取引があることもあり……(ちなみに直近やってる展示はこちら↓)

一旦は電子市民権の申請のみにすると思いますが、EUと日本のクライアント割合がもし4:6、あるいは5:5ぐらいになってきたら、エストニアで口座つくって法人立ててみるのも面白いかも……日本で法人をつくるよりも手軽に申請できるようなので、割とアリかもしれない……

……と、今後の業態を妄想しながら過ごすコロナ下の日々であります。
そういえば最近知り合ったスウェーデン人のデザイナーは、その都度の主要なクライアント企業にあわせて居住国を変えていると話していて、驚きました(今はドバイ万博での仕事のため、ドバイ在住とのこと)。

リモートワークの普及により、今後より国家の境界が流動化することが予想されるため、この時流のポジティブな面を見出し、より柔軟な働き方を試していければと思います。



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