持続的効果の鍵はIR

大阪万博については、およそ2兆円もの経済効果が見込まれているが、妥当な試算だと思います。前回、’70年の大阪万博では、開催前年からの2年間でGDPが2.5兆円程度押し上げられたと試算されます。足元では前回に比べて経済規模は1.3倍以上に膨れ上がっていますので、当時よりもインフラが整っている現状を差し引いても、2兆円強の経済効果があってもおかしくないでしょう。

大阪だけでなく五輪を開催する東京も世界的に見れば少しインフラ整備は遅れていますので、大阪万博はこうした遅れを取り戻す好機にもなりますし、海外からの玄関口が東京以外にできることで東京一極集中の緩和にも寄与するでしょう。

20年の東京五輪後は、半世紀に一度の世界的ビッグイベントが終わることで、国家的目標を失い、心理面の影響が大きい経済は失速するともいわれていますが、五輪の5年後に万博という目標が設定されたことで、経済的悪影響を緩和できるかもしれません。景気循環の観点からも、景気は東京五輪の少し前からピークアウトして、一時的な悪化は避けられないでしょうが、大阪万博が決まったことで景気の落ち込み後の回復も早まる可能性が出てきたといえるでしょう。

ただ、余計なハコモノなど、無駄なインフラをつくり、イベント終了後の維持費が嵩めば、むしろ万博終了後の負担増に結びつく可能性もあるでしょう。それを避けるには、開催予定地の夢洲にIRを誘致できるかがカギを握っているでしょう。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO38152930U8A121C1AC8000/

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