セリアの高収益体質をローカルマーケティングの視点から読み解く #マーケティングトレース
最近、100円均一業界に注目しています。
同じ価格の商品をつくり続ける、売り続けるって、マーケティングの観点からみて興味深いなと。
ちなみに、100円均一は、出店が最高水準となっているニュースが出ています。(少し前ですが)
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そんな100円均一業界の中でも注目しているのが、セリアです。
Newspicksでも、セリアの戦略は話題になっていました。
オシャレな100円均一店舗として認知を広げるセリア。
100円均一店舗を展開する小売業なのに、営業利益率10%を超える素晴らしい経営を行っています。
この成長率はすごい!
ローカルマーケティングという切り口からセリアを読み解く
本日は、セリアの経営を「ローカルマーケティング」という切り口から探っていきます。
急激に成長をしているセリアですが、店舗特性=地域特性に合わせたマーケティングを展開していることが、成功ポイントだと考えています。
目次=セリアの成功ポイント3つ
①POSデータ活用→消費者の生の姿を把握
②商品軸×店舗軸で分析→店舗デザインにも反映
③店舗ごとに徹底分析→スクラップ&ビルド戦略
詳細の分析に入っていきながら、セリア成長の秘訣を読み解いていきます!
①POSデータ活用→消費者の生の姿を把握
セリアの特徴として真っ先にあげられるのが、「データ活用」です。
上場後にPOSデータシステムに投資をして、一気に仕組みを構築したようです。
さらに面白いのが分析の手法です。
セリアは小売業なら当たり前のようにやられていた「客層分析」をきっぱりやめたということが大きな話題となりました。
「特定の顧客層にしか刺さらない商品は、自社にとって死に筋とも言える。ヒット商品をつくるには、顔の見えないデータよりも、SNSや街の消費者の生の姿を見ていくことが重要」
※上記記事より引用
在り来たりなデータ分析ではなく、顧客の特性を理解して、顧客のニーズに答える商品開発をするためのデータ分析をする土台をつくっている。
この、データ蓄積+独自のデータ分析の切り口こそセリアの急成長を支えていることがわかります。
②商品軸×店舗軸で分析→店舗デザインにも反映
次に分析→顧客タッチポイントの改善の視点。
セリアは、①のデータをもとにに合わせて店舗デザインを変えているようです。
そこで「自律型仮説検証モデル」と呼ぶ、発注支援システムを作り上げた。これは、商品ごとのSPI(Seria Purchase Index)値をベースにして、理想的な商品構成を導き出すものだ。SPI値は、小売業で使われるPI値を、セリアが独自にアレンジした指標。PI値とは、商品が顧客1000人当たりいくつ売れたかを表す。
セリアは、店舗・商品別と全店ベースのSPI値をリアルタイムに算出し、比較する。
ある商品が特定の店舗で売れていなければ、売り方を工夫することによって、売れる可能性があると判断する。そして、店舗ごとに理想の商品構成をはじき出し、発注業務を指示するのだ。そうした努力をしても売れない場合は、SPI値自体が低下していく。
引用元記事はこちら
ブランドコンセプト=Color the days日常を彩るを掲げています。
このブレないブランドイメージを軸におきながら、店舗ごとに顧客ニーズに応える工夫を怠っていないことは、競争優位性の確立に繋がっていると考えています。
③店舗ごとに徹底分析→スクラップ&ビルド戦略
最後に店舗の出店戦略についてです。
決算資料から、セリアは出退店を繰り返して、店舗を最適化していることがわかります。
地域別に最適化を繰り返していることが数字をみてもわかります。
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セリアのマーケティング戦略全体像をまとめます。
①POSデータを蓄積
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②仮説検証サイクルをまわす
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③店舗ごとに最適な品揃え
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④スクラップ&ビルドを繰り返しながら全体を最適化
理想のPDCAが回っている→高収益体質を築いているということが理解できます。
セリアのローカルマーケティング戦略まとめ
この3つがセリアの成功ポイントだと考えています。
①データ蓄積→データをもとにした意思決定ができる組織体質をつくる
②商品軸×店舗軸の両軸でデータ分析→地域特性に合わせた店舗戦略
③店舗別・地域別データを分析してスクラップ&ビルドはスピーディーに実施
店舗特性=地域の顧客特性に合わせたマーケティング展開は、フランチャイズ企業やエリアビジネスを営む企業は大切にしたい。
エリアビジネスを展開する企業が、急成長するセリアの経営・マーケティングから学べることは多そうです。
最後に:自分がセリアのマーケティング担当だったら
①SNS強化→UGC強化
SNS強化します。そして、UGC強化します!!
セリアの商品女性に人気なのでYouTubeでオススメ商品が出ています。
こういうのです↓
セリアはUGCが勝手に発生しているわけです。
ここは、もっと強化できるはずです!
具体的なやり方は海外事例(Dollartree)が参考になるので、簡単に分析。
Dollartreeというアメリカの100円均一=1ドルショップ。
SNSの活用方法に関しては、最先端いっているので参考になります!
どんなSNSを使いこなしているのか?
注目したいPintrest活用
各種SNSを活用していますが、中でも、Pintrestボードの作り方は非常に参考になります。
Dollartreeで購入したユーザーが、生活の中でどのように活用するのかを提案するボードになっています。
セリアも。SNSでUGCを生み出すために必要なブランド力と商品力をもっているので、もっとフル活用していくべきだと考えています。
生活シーンでのグッズ活用をSNSから顧客に提案していくことは強化していけたら面白いなと思っています。
②地域との関係性強化
セリアは、今後さらに出店数を増やしていくはずなので、より地域に密着したマーケティング戦略の展開が考えられるのではないでしょうか?
このような打ち手があるのではないかと考えています。
①出店地域内のイベントスポンサーになる
町のお祭りへの協賛や、地域の人巻き込んだ工作ワークショップをやるなど効果的ではないでしょうか?
学校との提携ができたら理想だと考えています。
②駅看板
インショップ形態が多いはずなので、駅看板は有効的なはずです。
③チラシ
セリアの顧客は主婦層が多いはずなので、チラシを中心としたアナログ手法のアプローチも有効的だと考えています。
季節性に合わせて子供とつくる○○などのチラシを作成するのはどうでしょうか?
といった、マーケティングの打ち手がとれるのではないでしょうか?
セリアの競合はAmazon
セリアに限らず100円均一業界の競合はAmazonだと考えています。
Amazonが100円均一のような取り組みをオンラインで行ってくる可能性は少なくないはずです。
Amazonの脅威に対抗するためには、地域顧客が店舗を訪れる楽しさ、セリアのブランドへのエンゲージメントを高め続けることが大切だと考えています。
100円均一業界は、かなり興味深いので、他の企業もマーケティングトレース していき深掘りしていていきます!
参考:セリアとダイソーの違いについて
参考までに、セリアとキャンドゥの戦略特徴を比較してみます。
セリア、ダイソー、キャンドゥなど、100円均一業界のブランド同士を比較したら面白そうです!
ダイソーの特徴は商品開発力
・ダイソーが扱っている商品は7万アイテムで、そのうち99%が自社開発商品
※自社開発の商品量と割合は多い
・商品企画から製造、輸出入、物流、販売までをすべて自社で行っている
・5000店舗の店舗規模があるからこそできる薄利多売を実現
セリアの特徴
・店舗戦略:インショップ重視の出店とスクラップ&ビルドによる店舗政策
・女性顧客をターゲティング=商品開発+売り場レイアウトの工夫
・POSデータを活用してバリューチェーン全体の最適化、独自商品の開発に活かす
→利益率10%超の経営体質を実現
※1店舗あたりの売上は1億円近く
本日のマーケティングトレース は以上です!