海外勢にありがちな・・・

 総じて日本経済のことを良く分かっていない海外勢にありがちな見立てだと感じます。オーバーシュート型コミットメントの建付けを修正しない以上、引き締め的措置(ゼロペッグ解除)は困難であることは元より、仮に修正を図るとしても執行部における人的変更が必要という見方が標準的です(現状、黒田色の継続を予想する方が多いことは周知の通りです)。また、元より政策ロジックが曖昧なECBのAPP(いわゆるQE)と日銀のQQEを混同することにも問題があります。

 「出口」を語る意味が全く無いことは主たる日本の市場関係者の殆どが理解している論点であり、出口を意識した発言のトーンに変わってこないのならば「間違い」と断じる意味も良く分かりません。日銀総裁の口から(たとえ仮説であっても)出口を語ることの意味は小さくないのは明らかですし、そこで出てくるあらゆる計数がベンチマークとなりましょう。そもそも「出口」が見えてもいないわけですから、見通せる将来にわたってありそうにないシナリオに試算など見せる価値も義務も必要もないと思います(※考えておいて欲しいとは思いますが、言う必要はありません)。

 もちろん、自民党総務会においてですら日銀B/Sの膨張を危険視する見方が散見されているくらいなので、国会で強く求められれば日銀は法的に応じる義務が出てきます。ゆえに、今後日銀が出口を語る可能性が無いとは言いませんが、6月の黒田会見でも見られたように、これは一旦謝絶するということで整理されました。この外人のエコノミストの方はニュースを見ていなかったのでしょうか?色々と脇の甘い記事だなと感じます。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-06-30/OSCGT76KLVRE01

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-06-30/OSCGT76KLVRE01

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