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フロー体験とアート思考について

最近は、アート思考(広くはアーティストの生き方)について興味があり、アート系の発信を増やしています。

以前に書いた記事。

しかし、アート思考はフレームワークやプロセス提示されているものではなく、具体的に何をすれば良いかはわかりにくい・・・

座禅研修を取り入れてアート思考を浸透させる取り組みもやられているようです。
再現性を出すのは難しそうです。


なので、まずはアーティストの表現の裏側にある思考や行動プロセスをトレースすることから始めています。

こちらは、先日に書いた記事。

もう少し、日常の仕事にアート思考を取り込みたいと考えています。

今日書いていきたいのは、アーティストから学ぶ「仕事のモード」についてです。

最近考えているのが、アーティストの生き方や思考を仕事に活かすためには、「フロー体験」がキーワードになるのではということです。

どういうことか。

フロー体験とは?

ハンガリー出身のアメリカの心理学者であるミハイ・チクセントミハイ(Mihaly Csikszentmihalyi)がが生み出した概念です。

フロー体験は、以下の図がわかりやすく(Wikipediaより引用
・挑戦レベル(頑張れば達成できる目標)
・スキルレベルが高い(自分のスキルを発揮できる領域)

に取り組めていて、時を忘れるくらい、完全に集中して対象に入り込んでいる精神的な状態です。

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無感動は、テレビやSNSを眺めている状態、リラックスは受け身の余暇活動、不安はいきなり上司から振られた難しめの仕事・・・といったイメージです。

フロー体験の詳細は、こちらのTEDで詳しく解説されています。

チクセントミハイは、心理学を研究する中で、芸術家や音楽家、科学者やスポーツ選手に対して「毎日の生活の中で、いつどんなときに幸せを感じるのか」をインタビューし共通項を見出していったようです。

幸せを感じ、創造性が高いモードで仕事をして、大きな成果を出している人たちを研究されていたわけですね。

仮説:アーティストはフロー体験に入るのが上手なのでは?

フロー体験について学び直してみて、歴史に名を残しているアーティストたちから学ぶべきは、フロー体験を活かした仕事スタイルなのでは?と考えるようになりました。

なぜ自分がアーティストの生き方に惹かれているのか?と改めて考えてみると、「アーティストのフロー体験を取り入れた仕事」を再現したいからなのかなと考えつきました。

アーティストの仕事の様子を覗いてみたく、YouTubeで検索をかけてみました。

例えば、ピカソの仕事の風景を覗ける動画をみると、作品を生み出す瞬間に没頭している姿を確認することができます。

草間彌生の創作プロセスを覗いてみても、没頭して作品(代表作品であるカボチャ)を描いています。

描いてくるとどんどんアイデアが出てくる・・とのこと。

歴史に名を残すアーティストは、「自分の注意力を表現に100%集中して、作品を生み出している(いた)」ことが推測できます。

アーティストの仕事は、
・自分の表現力を上げるために練習する
・表現の可能性を探る
・表現→社会からのフィードバックから学習する

といった形で、フロー体験に入った仕事を数十年と積み重ねていることに価値があるのだと考えています。

朗報:フロー状態には意識的に入れる

チクセントミハイの「フロー体験とグッドビジネス」を読んでいて、幸福感を高めたり、創造的な仕事をするためには、「仕事をフロー体験に変えるチャレンジを繰り返すこと」の重要性が語られています。

アーティストのように注意力を表現に集中させたい・・・と思っても何をやっていいのかわかりません。

チクセントミハイは、フロー体験に入るためのヒントをまとめてくださっています!そして、どんな仕事であってもフロー体験を取り込むことはできると書かれています。

フロー体験に入るための8つの項目
1.明確な目的(ゴールを明確にする)
2.専念と高度な集中状態(注意力を対象に集中する)
3.自己に対する意識の低下(自分の利害を考え過ぎない)
4.時間感覚のゆがみ(時間感覚を捨てて没頭する)
5.フィードバック環境(成果を明確にし、成功or失敗がわかるように)
6.能力と難易度とのバランス(少し背伸びした仕事※易しすぎず、難しすぎない)
7.状況や活動の制御(仕事の過程を自分でコントロールする)
8.本質的な価値(他者や社会への提供価値を考える)

図解イメージ。

フロー体験8つの要素.001

この8つの要素を仕事の中に組み込めると、集中や没頭状態をつくり出せることが書かれています。

上記のフロー体験の要素は、アーティストの行動特性と共通していると考えています。

アーティストの行動例(ピカソを思い浮かべながら)
・自分の内面や文明・社会と向き合う
・常に新しい表現を試したり、実験を繰り返す
・時間感覚を忘れて没頭する
→フロー体験で日々仕事をする、作品を創り続ける

自分たち(ビジネスパーソン)がアーティストから学べることは、思考より、仕事に向き合う身体感覚とか精神状態なのかなと考えています。

アーティストのようにフロー体験に入る工夫をしてみる

アート思考を仕事で実践しよう!は定義が曖昧で難しさがありますが、自分の仕事のにフロー体験を組み込もう!は実践しやすいのではないかと考えています。
(まだ抽象度が高いのですが)

まずは、自分の仕事で「フロー体験に入る数」を増やす。
そして、アーティストのように没頭して仕事をすることから始めると、アート思考の実践方法が見えてきそうです。

フロー体験を取り入れて生み出したいサイクル
①8つの要素を参考にフロー体験を仕事に組み込む

②創造的な仕事を積み重ねる

③スキルとチャレンジレベルを引き上げる

アート思考を学んでみても、何から始めたら良いかわからない・・という方は、まず、アーティスト状態(フロー体験)を仕事に取り込む、ことから始めるのが良いのではないでしょうか。

最後まで読んでくださりありがとうございました!