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インサイトを正しくビジネスに反映させるのは難しい

BtCビジネスにおいて消費者インサイトを掴むことは成功への第1歩であります。しかし、掴んだインサイトを自社ビジネスに正しく反映させるのは本当に難しいと日々感じています。どうすればインサイトを正しくビジネスに反映させられるかを経験から考察してみたいと思います。答えは全然でていないので、ぜひいろんな角度からご意見頂けると嬉しいです!

消費者インサイトとは?

ワークショップ風景

インサイトは直訳すると「洞察」という意味です。転じて物事を見抜く力とも言えます。

マーケティングにおける消費者インサイトの意味としては、「人を動かす隠れた心理」を指しています。

消費者自身も気づいていない無意識の心理なので、認識すれば自然と行動を起こします

2014年にMinimal - Bean to Bar Chocolate -(ミニマル)というブランドを立ち上げてからおかげさまで7年間が経ちました。ブランドを0から立ち上げていくという7年間の経験から、ブランドのフェーズによって、捉えるべき消費者インサイトが違うのでは無いかという仮説を持ちました。

0から立ち上げた経験から、ブランドが立ち上がるか上がらないかという一番の初期フェーズでは、いかに最初の一人の熱狂的なフォロワーを見つけるかが大事だと思います。

そのため向き合うべきインサイトは、自分自身がなぜこのブランドを立ち上げようと思ったのかという自分の深層心理のような気がしています。

潜在インサイトと顕在インサイト

潜在と顕在

ブランドが立ち上がってからの経験則ですが、インサイトには種類があると実感しました。

特に学んだという点で、考えてみたいのは、これから顕在化しそうなインサイト=潜在化しているインサイトと、顕在化しているインサイトです。

ブランドとして、どのインサイトを取り行くのかを考え、それぞれのインサイトにどういう提供価値と商品を当てはめるかはとても重要な観点だと思います。

一概に比較は難しいのですが、それぞれのインサイトを取りに行く事のメリットデメリットがあります。わかりやすい点をピックして下記に簡単に例を書き出します(もちろん下記以外にも多数ありますが)

▼潜在インサイト
メリット:

そこに答えている商品サービスが少ない可能性が高く、もしそこにドンピシャな価値を提供できれば立ち上がる市場を独占できる可能性がある。

デメリット:

タイミングの見極めがとても難しい。どれだけ秀逸なインサイトとそれを解決する商品サービスを開発しても、早すぎては商売にならない。

▼顕在化しているインサイト
メリット:
市場がすでに顕在化しており、インサイトに対してうまくいっているところの事例があり、インプットが比較的容易で失敗リスクが少ない、かつ市場が顕在化しているので、キャッシュになるリードタイムが短い。

デメリット:
市場が顕在化しているので、競合が圧倒的に多く、競争が激化しがち。競合に勝つために資金力が一定必要になる。

ビジネスに正しく反映する方法論(Minimal事例)

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各インサイトをどのフェーズでどのように取りにいったかをMinimalの具体的な事例で紹介します。

ビジネスが立ち上がり広がっていく中で、顕在化しているインサイトにいくのか、自分たちが行きたい道の延長線上にあってまだ消費者が気がついていない潜在インサイトに商品を置くのかの、プロダクトフォーポートフォリオを僕らは常に考えてきました

Minimalの商品は、大きなカテゴリーで分けると2つあります。
・創業からのシグニチャーである
「板チョコレート」
・コロナ禍を機にデジタルシフトした際に始めた
「チョコレートスイーツ」

Minimalの創業時にカカオ豆の風味をダイレクトに表現する板チョコレートを主力商品にしたのは、顕在化するかしないかというところ、つまり潜在インサイトに対してプロダクト置きにいきました。

チョコレートの世界的な潮流としてBean to Barチョコレートが夜明け前夜の状態で、潜在インサイトといいつつも顕在化しつつあるインサイトでありました。

これは、潜在インサイトに対して、強烈で個性的なプロダクトを置いて熱狂的なファンや代弁者を作りにいったといえます。
本当にタイミングと運がよく、Bean to Barチョコレートの先行者として認知を獲得できて、その先行者利益によってブランドとしてファンと認知を獲得する事ができたことが7年間僕たちのブランドが存続できている大きな要因です。

一方で、コロナ禍を機に板チョコレートから事業を広げたチョコレートスイーツは、顕在化しているインサイトを取りにいったといえます。

そもそもスイーツ市場はすでに大きく存在しています。その分競合も多く、競争も激しいの事実ですが。

競争に勝っていくためには、これまで先行者達がやっている事をインプットし、それを自社の強みや独自性と合わせて訴求していくことが大事です。

先行者のやっている事の一例としては、わかりやすくシズル感のあるスイーツの写真を研究して行く事(まだまだレベルは低いですが)などが上げられます。

このように、事業のフェーズでどのインサイトを取りに行くかを考えながら、事業や商品のポートフォリオを考えて展開する事が大事ではないでしょうか。

経営とインサイトとマネタイズ

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潜在インサイトか顕在インサイトのどちらをビジネスで取っていくかは経営判断としてとても大きなモノになります。

Minimalの場合は、どちらかと言えば潜在インサイトを取りにいっています。チョコレートという既存市場に対して、クラフトマンシップを駆使してクラフトチョコレートという新しい市場を創るコトをビジョンとしています。

BtC事業の経営において消費者インサイトから目をそらすことはできません。そして、消費者インサイトは多種多様でたくさんビジネスチャンスがある反面、それを正確に捉えて、最適なタイミングで商品サービスにしてマネタイズしていく事はとても難しいです。

ブランド経営においては、成し遂げたいビジョンを定義し、最終的なゴールから逆算して、提供価値を考え、商品サービスに落としていかねばなりません。そして、ビジョンを成し遂げるためには、短期的には経営としてきちんとマネタイズを行っていかないといけません。

顕在インサイトに対する商品サービスを提供すれば、キャッシュになるリードタイムが短く、短期的にマネタイズができて、事業に継続性をもたらします。これは経営的にとても大事であり、片輪だと思います。

そして、もう片輪は、まだ実現していないビジョンに向けて、半歩先のインサイトを見つけていくことであると思います。それはキャッシュにするリードに時間はかかるかもしれないがそれができればビジョンの実現に近づくことができます。

潜在にしろ、顕在にしろ、ブランド経営をしていく上では、消費者インサイトというとても難しいものに向き合い続けないといけません。

どれだけ深く考えて慎重に考察しても上手くいかないこともあれば、余り考えずやったことがたまたま上手くこともあります。

タイトルに書いたとおりですが、インサイトを正しくビジネスに反映させるのは本当に難しいと思います。

しかし、そこから逃げることなく、Minimalのビジョンの実現にむけて、消費者インサイトを考え続けていきたいと思います。

※Minimalのチョコレート&SNS

Minimalがコロナ禍で外出自粛を余儀なくされている皆様のインサイトを考えてリリースした新サブスクサービスの「CHOCOLATE ADDICT CLUB」。こちらは、どんなインサイトに対してサービスでしょうか?
ぜひ以下ページからご覧頂き考えてみて下さい(笑)

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