生産性は供給側だけで決まらない
結局、生産性って総生産(総需要)を労働投入量で割ったものですから、完全雇用下で生産性が低いのは供給側の要因が主因となります。
しかし、需要不足で中立金利がマイナスとなっている日本のような国では、需要側の要因も大きいと思われますから、デフレを長期間放置してきたマクロ政策が諸悪の根元でしょう。
いくら高性能の設備があっても、需要がなければ生産性ゼロですから、長期デフレを放置して、民間部門が過剰に貯蓄して需要がシュリンクしてしまっていることが、日本人の低生産性の主因でしょう。
特に日本では、デフレで過剰雇用が続いたため、IT投資が欧米に比べて遅れたことも大きいと思いますが、分子の付加価値にカウントされないおもてなしの存在も少しあると思います。
記事にある通り、生産性向上には労働市場の流動化が重要かと思いますが、未だに同じ会社で長く働くほど恩恵を受ける日本的雇用慣行が残ってますから、これを打破するには、解雇規制の緩和と、スウェーデンのように解雇はされやすいけど、解雇された従業員が本人の努力次第でキャリアアップし、より高い所得を得ていくのを助けられるような充実した再就職やスキルアップに対する政府の社会保障制度も必要でしょう。