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僕の一番初めの就労経験は「先生」でした。そして、今でも「会社員先生」しています。 #会社員先生ができること

小学3〜6年まで、公文式をやっていました。

そのご縁もありまして、高校生になってから、人生で初めてアルバイトは「公文式教室での添削アルバイト」でした。幼児向けのえんぴつに慣れさせる「迷路」から、中学生の連立方程式まで、様々な生徒さんに教えてきました。

その後は、販売や営業事務のアルバイトしか経験なく、家庭教師などのアルバイトせず、大学でも「教職免許をとる」という選択肢を選ばなかったので、「教壇に立つこと」や「誰かに何かを教えること」ということをやってきませんでした。

ところが、面白いもので「普通の会社員サラリーマン」になったつもりが、いまこのタイミングで、大学生や専門学校生に対して「教壇に立ち」、「教えていてる」自分がいます。

ビジネスセミナーの場数

昨今は、サラリーマン界隈でも「ビジネスセミナー」が盛んになり、多くの会社員でも受講する機会が多くなってきているかと思います。僕も、聞くこと(学ぶこと)もあれば、「伝える側」になることも多くあります。

僕が「不特定多数の」聴講者に対してビジネスセミナーでの登壇経験の初舞台はこちらでした。

不特定多数の」と書いたのは、僕は、この場に至るまでには「特定の」多数に何かを伝えることは、かなり場数が多いサラリーマンだったと思います。職業特性かと思うのですが、商業ディベロッパー(パルコ)に在籍していたときは、毎月「テナント店長会」という、ご出店いただいているテナントスタッフ向けに「月次報告会」を開催していました。大きい館では100名以上のスタッフが参加していますので、「1:nのコミュニケーション」の場数は、数え切れないくらい経験していました。

この場は、「聴講者は毎月変わらず、一方的な報告/連絡を、時間内に端的にわかりやすく伝える」という機会でした。かつ、聴講者との関係性は対等であり、伝える際の「言葉・単語」は、テクニカルタームでも通じる関係性でした。「コンテキスト(背景・前提)共有」が事前にある定例の場でしたので、初めの頃は緊張しましたが、毎月の場数があるゆえ、慣れてくるものでした。

こういった場が、多数あったことにより、パルコ時代でも、キリン時代でも、対外的なビジネスセミナーにおいても、そこまで緊張することはありませんでした。しかし、毎回「不特定多数」の聴講者を迎えるビジネスセミナーにおいては、聴講者とは毎回「初めまして」であり、事前のコンテキスト共有がゼロの状態で、1時間弱の枠で起承転結を完成させなければならないし、しかも「セッション満足度を採点される」環境下に置かれます(無料なのに)。

オフラインでやっていた時代は、会場の反応を見ながら、「あ、伝わっているな」とか「つかみはOKだな」とか「あ、スベってるな」とか、セッション最中でも軌道修正ができたものです。(僕はオフラインでのセミナーは、よく壇上から降りて、聴講者と対話をしながらすすめるセッションをやっていました。)

しかし、オンラインになってから、冒頭でスベったら、最後までスベり続けます。ビジネスセミナーなので、ウケを狙う必要は全くないのですが、最低限の成果として、1人でも多くの記憶に残ったり、何か1つでもヒントを得ていただくようにして欲しいと思っているだけです。

学生向けの授業とのギャップ

2015年、パルコ勤務時代、ご縁あって文化服装学院様で、社外講師を担当させていただいたことがあります。社会人になって、初めてaround20世代に向けて、お話をする機会でした。このときに、初めて「講師業・先生業の難しさ」に触れました。

以降、文化服装学院様だけでなく、東京工科大学様、杉野服飾大学様、ドレスメーカー学院様などで、社外講師を担当させていただいてます。

そんなときに、感じているのがこちらです。

1)まずジェネレーションギャップ(笑)
2)コンテキスト共有が本当にゼロからスタート
3)単発授業のため、一期一会。その後のフォローもできないジレンマ

1)に関しては、現職の講師・先生方を本当に尊敬します。うちの子は、上の子で中1なのですが、around20世代とは、やはりカルチャーも違う。なので、アラフォーのおっさんの僕は少しでも距離感を縮めようとするため、授業の冒頭に、TikTokで話題となった「パンケーキ食べたい の パンチダンスの振り付けだけ」をしてみせます。(振り付けだけです。歌いません。)

「おっさんだけど、みんなのことを知っているよ!安心してね!」の表明なのですが、お察しの通り、毎回スベって授業をスタートさせています。

あ、当然ですが、なんの脈絡もなく、パンケーキダンスをやっているわけでなく、僕が担当している授業の多くが「デジタルメディア」に関する授業なので、台頭するスマホメディアの1つとして、取り上げているだけです、はい。スベってないです。

「コンテキスト共有」も難しいです。「パルコ」や「キリン」という名前・ブランドには、生徒さんも、日常的に触れている世代ではあるのですが、その企業に所属する会社員・サラリーマンが、実際どんな仕事をしているのか?ということを、伝えることの難易度の高さよ!w( 現職はさらに難しい)

しかし、たまたま僕の仕事は「中の人」という特異な(?)仕事もあったので、このツイートを見せて、僕の仕事を説明しています。

(この時点でもスベっているんじゃね?というツッコミはなしで。)一部の学生からは、「一日中Twitterをやるだけでお給料がもらえる仕事があるんだ!」と勘違いされていそうです。

3)に関しては、実は、最近解消され始めています。当時は単発授業が多かったのですが、最近は「課題提起→実践→チェック」の流れでご一緒する機会も増えてきました。

僕がやってきたこと。ファッション・リテール・ブランドとメディア・デジタルの掛け算の視点。生活者に情報を伝えるということ。発信するだけではだめで、届けなけれればならないこと。それが仕事になること、近い将来の武器になることを生徒さんに伝えているつもりです。

まもなく数年後に社会にでる学生に向けて、生きる術として、デジタル・メディア・アプリという手段を、最前線の現場から伝える、という仕事。

この取組は、当然ながら、担当される先生も、僕も「生徒さんに価値あるものにしようという思い」が、とても高い取り組みです。(当然ですが、学生さんは高い学費を払って、受講をされています。無料のビジネスセミナーとは、そもそもの前提が異なります。)

そして、一周回って、僕にとっても、仕事を見つめ直す機会になっています。最近、誤謬が指摘されていますが(苦笑)、「ラーニングピラミッド」な考え方です。

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*図は上記記事より引用

誤謬のことは、一回おいておいて(笑)、シンプルに「インプットとアウトプット」のサイクルは、多くの多様性のある視点に触れることにより、磨かれるなぁ、と感じています。

事前のコンテキストがゼロの状態から、自身から「何かを伝えて」、相手に「アクションしていただく」ことへ、態度変容を創出すること。これは、現職でももっとも意識しているポイントです。

「会社員先生」という「通常のサラリーマン」とは異なるフィールドで活動することは、異環境での鍛錬の場をいただいてる感じです。「伝わったか?・伝わっているのか?・届いているのか?」の修行の場です。

僕は、何かアカデミックな権威があるワケでも、元GAFAでもなく、ただのサラリーマンなのですが、本当の現場経験や現職の取り組みなどから、シンプルな・等身大の経験・視点から学生へバトンをつなげればいいな、と思っています。

学生にとっては、もっと多様なバトンがあることを知ってもらいたいと思いますので、こういった「会社員先生の多様性」、「タレントプール」はあってもいいな、と思いました。

(これを読んでいるアタナは「学生に伝えるコンテンツを持っていますか?」そして「それを伝える自信はありますか?」学生のココロを、行動を動かすことができますか?)

#COMEMO #会社員先生ができること

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