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「なぜ手取りがこんなに少ないの?!」 FPが教える、給料明細で見るべき3つのポイント

新社会人の皆さんも多いでしょう。「額面と比べるとなぜこんなに手取りが少ないの?」-そんなふうに思われる方もいるかもしれません。そんな方は、振込額(手取額)だけではなく、毎月の給与明細を確認してみましょう。また、人によっては最初の初任給は15日分という場合もあります(15に締め、25日払いなどの場合)。給与明細で見るポイントは大きく次の3つです。


給与明細は「勤怠」「支給」「控除」の3つを見ればよい

給与明細は基本「勤怠」「支給」「控除」の3つで構成されています。

「勤怠」とは


「勤怠」は、「勤務日数」や「欠勤日数」「残業時間」「有給消化日数」などを示す欄です。残業時間などは間違いがないか確認をしましょう。

「支給」とは

「支給」は、会社から支給される報酬です。「基本給」に加えて、「役職手当」や「家族手当」「住宅手当」「通勤手当」「時間外手当」などから成り立ちます。

「給与の2.5カ月分」などのボーナスが夏期や冬期にある場合は、原則として「基本給」をベースに計算されます。そのため、基本給に加えて手当が上乗せされている人はボーナスが少なく感じるかもしれません。

額面よりなぜ手取りが低い?控除の正体


それから、「額面は結構あるのにどうして税金がこんなに引かれているんだろう?」と思っている人も多いかもしれませんね。その正体は「控除」です。基本給と手当など報酬から控除されているものは「税金」と「社会保険料」の2種類です。

特に社会保険料(厚生年金保険料、健康保険料、雇用保険料)は高額になるので内容を知っておきましょう。

厚生年金とは

厚生年金保険料は納めることにより将来年金として戻ってきます。しかし、給与明細をきちんと見ていないと、将来もらえる年金額が少なくなるということもありえます。少し前に「宙に浮いた年金記録」についてメディアなどで騒がれましたが、念のために事業主側の誤りがないか、給与明細とねんきん定期便や年金ネットで報酬額が正しく記録されているか付け合わせをすると安心です。

厚生年金保険料の自己負担分は9.15%です。総支給額にざっくりこの割合をかけて金額がかけ離れていないか確認をしてみましょう。厚生年金の場合、給与明細がないと将来もらえる年金額を正確に計算することがむずかしいです。ねんきん定期便や年金ネットで報酬額に誤りや漏れがないかをチェックするまでは給与明細を捨てずに保管しておきましょう。

健康保険料とは

厚生年金保険料とともに引かれている金額が多いのが健康保険料です。厚生年金保険料は将来年金としてもらえる積立てですが、健康保険料は掛け捨てです。せっかく高い保険料を払っているのに病院に行かないのはもったいないことです。具合がわるいと思ったら、時間がある時は病院に行って薬をもらうというのもよいでしょう。

雇用保険料とは

雇用保険料とは、雇用保険の掛金のことで、従業員と事業主それぞれに対して法律で決められた雇用保険料率を、支給される給与や賞与などに掛けて算出します。掛け金を支払っている加入者(労働者)に対して、失業給付、育児休業給付、就職促進給付、教育給付などの公的サービスを提供します。

税金とは

社会保険料とともに引かれているのが所得税と住民税です。所得税は毎月の給与から源泉徴収されていますが、1年間の給与総額が確定する年末に年末調整をして正しい税額を計算し、徴収された税額との過不足を精算します。住民税は昨年の分が本年の6月から給与天引きされます。入社1年目は住民税の徴収はなく、2年目の6月以降は住民税が引かれるので銀行振込額が入社1年目より少なくなるケースもあります

注意点1:4月5月6月の残業には要注意?!

一般に社会保険料の計算の基礎となる標準報酬月額は、4月から6月の給与(手当等を含む)をもとに「定時決定」して計算します。そのため、4月から6月の残業(残業手当)などが影響する場合があります。

注意点2:通勤手当には要注意

通勤手当として支給される交通費には一定額までは所得税がかかりませんが、社会保険料の計算上は、これを標準報酬月額に含めなければなりません。

毎月給与明細をしっかりと見ることによって、多少なりとも引かれている「控除」をコントロールさせること、お金の計画を立てることができ、税金や社会保障の仕組みやお金に対する興味もわくようになります。

お金を計画的に使い、次の給料日まで余裕を持った生活を送りたいものです。手取りから固定費を引いた後の自由に使えるお金を4つに分けて、週で予算管理をするなど、工夫をしましょう。また、連休もあるので特別支出の計画も立てて、足りなくならないように管理してください。


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