ナラティブ(対話的)KPTのススメ #チームビルディングおすすめのやり方
こんにちは。ナラティブベースのハルです。職場環境も生活環境もめまぐるしく変化していく時代、「働き方」の変化が追いついていかずチームビルディングがうまくいかない…!というお悩みをたくさん耳にします。あらためて数えてみると私自身はリモート環境下でのチームビルディング歴はかれこれ15年にもなりました。その間、失敗を繰り返しながら積み上げてきた様々なチームビルディングの知見は今まさに必要とされているものです。
今回、日経COMEMOの「#チームビルディングおすすめのやり方」のお題に答えて、ナラティブベースのリモートチームビルディングの知見の一つ「ナラティブKPT」について効果ややり方などをご紹介したいと思います。ぜひ、あなたのチームのチームビルディングに参考にしていただければと思います!
《WHY》 なぜ、「まとまらない話」が必要か
ナラティブベースはフルリモートネイディブな組織で一度もオフィスを持ったことがありません。そのため、チームビルディングはゼロからリモート前提で行ってきました。その場合、通常企業がリモートワーク導入で考える「リアルをリモートに置き換える」という機能的発想ではなく、「リモートで不足するものを補う」というクオリティ視点にたって手法を考えてきました。
「リモートで不足するもの」と聞いたときに、あなたは真っ先に何を思いつきましたか?
多くの方が、リモートだとなぜかためらってしまいがちな何気なーい会話やちょっとしたシーンを思い浮かべるのではないでしょうか。
・雑談を通した何気ない相互理解
・所属を共にいているという一体感に近い空気感
・くだらない話から湧き出るアイディア
・愚痴によるストレス発散
・偶発的な会話から得る着想
・部下の元気のあるなしの判断、、、などなど、
これらの要素は「機能」ではないので、「リアルをリモートに置き換える」発想ではどんどんと削ぎ落とされていきます。自分の中で断片的な非構造な話(実はこれがナラティブ!)は、「こんな話は後でいいか」「今ではないよな・・・」と遠慮しがち。
でも、うすうすお気付きの通りこれらは実は仕事のクオリティと直結するチームビルディングには欠かせないもの=お互いをよく知りチームとして力を発揮したり、手助けや成長を促す相互理解のもっとも重要な材料!なのです。
《WHAT》 ナラティブ(対話的)KPTって何?
そんな遠慮しがちな「まとまらない話」から始めちゃうのOKなルールなのがナラティブKPTという会議スタイルです。ご存知の方や導入されている方もいらっしゃるかと思いますが、アジャイル開発などの現場で生まれた【KPT会議】の手法をリモート前提かつナラティブ(対話型)にアレンジしたものです。
「KPT」とは、下記の3つを中心に振り返ることによって、仕事やプロジェクトの改善を加速させるフレームワーク。
Keep:よかったこと(今後も続けること)
Problem:抱えている問題(今後はやめたいこと)
Try: 次に挑戦すること(Problemの解決を含む)
Keep(よかったこと)、Problem(抱えている問題)、Try(次に挑戦すること)の3つをお題に、個人的に考えていること、感じていること(ナラティブ)を自由に交換する場、それを参加者全員で構造的なタスク(ストーリー)に組み立てていく共同作業の場を定期的に持ちます。
「まとまらない話(ナラティブ)」の中にこそ、人を突き動かしている、もしくは逆に動きを止めるようなボトルネックになっている、本質的な原因やメンバーのそれぞれ背景情報、価値観が含まれていることは多々あります。これらの断片でみると些細な話を「今は触れないでいいや」と置き去りにしないために、このような定例会議などの仕組みによって表出させることを習慣化していくことはとても重要です。
《HOW》 それって具体的にどうやるの?
ナラティブベースでは社内の各プロジェクトで月1を基本に実施しています。
準備のためにKPTのそれぞれの要素を、あらかじめ各々が考えオンラインツール上(ナラティブベースではTrelloを用いていますが、他のプロジェクト管理ツールでももちろんOKです)に書き出しておいたり、仕事を中で出てきた話からメモったりしておき、オンライン上のカードで可視化をしながら会議で具体を共有していきます。
ポイントは、普段、「筋道を立てて一人で話さなければ!」となりがちな問題と解決策のセット(問題をあげるなら解決策をあげよ)、解決策と検証のセット(やりっぱなしにぜず検証までワンセットで)、などの要素をあえてバラバラに分解して、全員で話しながら具体的なタスクを共創していくことです。つまりナラティブからストーリーを生み出す工程を共にします。
まとまらなくてもどんどん話していけることで、普段その人が口にするのをためらいがちな些細な背景がポンポン飛び出していき、相互理解に必要な材料が出てきます。また、圧倒的に普段の何気ない考えや感じていることを発言しやすくなるので、自分の考えを言っていいんだという空気がチームの中に広がっていきます。特に新人や異動したてのメンバーの巻き込みには最適な会議手法です。
最近始めたオープン社内報の第1弾でその効果や手法をインターンのなおこさんが詳しい紹介してくれていますので、よろしければこちらも参考になさってください。↓
《最後に》 「雑談しよう!」じゃダメ、な理由
チームのそれぞれのメンバーのモチベーションに直結しているちょっとした違和感、怒り、喜びなどの感情は、「さあ、今から雑談しましょう!」といっても簡単に出てくるものではありません(汗)仕事の目的を常に意識しながらも、普段からまとまらない話(感じていること、考えていること)を交換し合う習慣やオープンな雰囲気づくりを仕組みをもって行うことが、チームの結束力や相互理解、そして相互成長に着実につながっていきます。
ぜひ、あなたのチームでもナラティブKPTをはじめてみてくださいね!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。