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「経済成長と温暖化対策は両立する!」という主張はしばしば聞かれます。CO2削減が経済成長を阻害するというのは古い考え方で、むしろ温暖化対策を進めることがむしろ経済成長を促すというご意見も聞きます。IEA(国際エネルギー機関)も2017年年3月17日に行った発表において、CO2排出量は2016年までの3年間横ばいであるにもかかわらず経済成長は達成しており、両者のデカップリングが続いていることを示していると報告していました。ただ詳細分析を見て見ると、「本当にそうか?」と思わされます。

米国のオバマ前大統領も2017年1月のScience誌への投稿の中で、自身の政権の成果としてデカップリングに成功した実績を強調し、それをもたらした理由として、①シェール革命による石炭から天然ガスへの燃種転換、②再生可能エネルギーの普及を挙げていました。特に強調されたのは後者の方です。ただ、どちらの寄与度が高いかは分析されず、多分に「気持ち先行」の寄稿でした。

詳細は昨年書いた「経済成長とCO2排出量のデカップリングを考える── 米国オバマ政権の「成果」を問う」という論考に譲りますが、もちろん経済成長とCO2削減の両立を追い求めるべきであるものの、それは容易ではなく、やはり「安価な」再エネや省エネ技術の開発が王道なわけです。

というか、経済成長と温暖化対策の両立が容易なのであれば、温暖化対策をすることがかえって経済成長をもたらすならば、国連の枠組みで温暖化の交渉などする必要は無い訳です。放っておいても、各国が争って高い目標を掲げるでしょうから。

写真は今年5月に行われた国連気候変動交渉の会議場。


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