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企業を選ぶように国を自由に選択する日は来るのか〜3つのトリレンマ〜

こんにちは!エコノミストの崔真淑(さいますみ)です。今回は、私がずっと抱いていた漠然とした疑問について記していきます。

それはタイトルにあるように、「企業を選ぶように国を自由に選択する日は来るのか」とい疑問です。BBCの経済ニュースを視ていると、ダイジェストでも世界中のホットトピックが知ることができます。
ニュースの紹介コーナーでは重要なポイントを映像と一緒にポイントを強調してくれるので、ザ・ジャパニーズイングリッシュな私のような人間にも理解がしやすい構成が多々あります。
そんなBBCニュースで気になったのが、やはりBrexitです。これだけ日々見ていると、ハードBrexitの可能性も出ていることから、もはや企業を選ぶように国を選ぶ人が出てきてもおかしくないのではと感じたのです。

そんな疑問を、あるお世話になっている経済学者さんにぶつけてみると…。すでに、そういう英国人研究者はいらっしゃるようで、アジアの某国の大学に再就職されているとか。あくまで民意で決めた政治家が主導しているハードBrexit懸念を一人の力で止めようとしても限界があるのを感じていることや、他国で働くことにそれほどコストは要しない人材ほどそういう選択は当然なのかもしれません。

更には、こんな事例も身近で起きました。ある美術館の近くの露店で、素敵なポストカード絵を販売している白人女性がいらっしゃったのです。記念も兼ねて購入し、少しお喋りも。すると、ベネズエラ出身というのです(!) 。しかも、ベネズエラを出てまだ6ヶ月とのことでした。私は目を丸くしてWhy?と聞いた後に、もしかして経済危機が影響しているのを質問すると、その通りだとの返答が返ってきました。ベネズエラを脱出する人が増えているとの経済ニュースは目にしていましたが、この衝撃は大きかったです。

(写真は私が購入したポストカード絵です)

こうした一連の出来事や、世界でいろんな地政学リスクが起きていることから上記の疑問を思うようになったのです。では、それは本当に起きうるのか?私は「半分YES」だと考えています。というのも、こんな考え方があるからです。ノーベル経済学賞受賞者で経済学者のロバートマンデル氏の金融政策のトリレンマは有名ですが、彼の考え方を政治経済に応用した方がいらっしゃるのです。それはハーバード大学のダニ・ロドリック教授の仮説です。それは、グローバル化、個人の自由を保障した民主主義、国家主権の3つは同時に維持できないというのものです。

つまり、グローバル化と個人の自由な国際間移動を含めた個人の自由をとれば国家主権が成立しない。

これは肌感覚としてもシックリくる話です。自分が愛する国で何かあったときに、他国へ移る決断をしやすいグローバル社会が存在するとします。そこで国外へ流出する人が多過ぎれば国自体の行方が懸念され、国が国外移動を制限し、個人の自由に制限をかけることも。

もしかしたら、グローバル化社会になればなるほど、国民は選挙でだけでなく移動という手段で声を上げることが可能になるのかもしれません。まだにVoice or Exit。

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崔真淑(さいますみ)

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