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「温暖化を止めるために、今こそ動くべき」
「議論の時代は終わった。今は行動の時だ」
私が初めて国連の気候変動の会議に出た10年前からずっと、こんな演説をたくさん聞いてきました。
でもなかなか国際交渉は進みません。なぜなのでしょう?

国連の気候変動の会議(COP)に関する報道では、たいてい「先進国と途上国の対立」と書かれています。でもそれだけではありません。テクニカルなことでいえば、会議が全会一致制であること、国連は「町内会組織」であること、プロフェッショナルの交渉官が多数生まれた業界であることなどが挙げられるでしょう。(詳細は下記の記事にて)

ただ本質的な理由は、経済が発展すればエネルギー消費量が増え、CO2排出量も増えてしまうというのがこれまでのトレンドであり、自分が削減するのではなく、誰かほかの国にやらせたい。できるだけ前向きな姿勢を見せながら、CO2削減の努力とコストは他の国に押し付けたい、というのが「本音」だからです。

こういう本音は裏に隠して、前向きな努力を他国に求めてくる国が多い中で、日本としてどう真摯に削減に取り組むか、そして中国や米国、インドなどの大排出国にどうやって真剣に取り組んでもらうか、できればそこに日本の技術を生かしていくことはできないかといった交渉をしなければならないわけです。

こりゃしんどい戦いです。


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