日本はデータ流通のルールづくりで船頭になれるのか(2019.05.31)
おはようございます!月末の金曜日は何かと慌ただしくなりがちですね。統計の発表が重なるため、記者時代は特にバタバタと過ごしていたことを思い出します。
きょうの日経朝刊1面アタマは国際交流会議「アジアの未来」から。日本経済新聞社が毎年主催している会議に安倍晋三首相が出席、演説しました。マレーシアのマハティール首相やラオスのトンルン首相など、アジア各国のリーダーもそろい踏みだったようです。Morning Briefingでポイントを振り返ります。
Morning Briefingとは
その日の朝、読んでほしいニュースの要点を簡単に要約したもの
国境を越えたデータのやり取りがしやすくなる?
◆キーワード
信頼ある自由なデータ流通(DFFT)
◆ニュースはなに?
安倍首相は演説で、個人情報や知的財産などのデータを保護する国際ルールを整備する構想を明らかにした。実現すれば医療や産業、交通データなどを国境を越えてやりとりしやすくなる。
◆気になるポイント
データが財産になる時代、その扱い方は非常にセンシティブな問題です。例えばきのうも触れたGAFA(グーグル、アマゾン、フェイスブック、アップル)は個人データを寡占しているとして、EUなどが取り締まりを強めています。
ただ今回は特定の企業による寡占対策ではなく、拠点を越えて国際的にやりとりしやすくするというもの。たとえばEUから域外にデータを移す際には、「十分な保護施策が講じられている国です」とEUが認めなければ移動することができません。米国、中国もEU同様、データを国外に移す際のルールを独自に定めています。この独自規制をなくし、国際的にルールを統一しませんか、というのが首相発言の趣旨です。
アジア諸国はこれからデータ保護法制を整備するところも多く、呼びかけには応じてもらいやすい。ルール作りで先行する欧米中を説得できるかがカギになりそうです。
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