AI時代だからこそ、 「人として」の価値がものすごく大切
いま、「リアルで人と話す」のが楽しいですね。貴重ですね。以前よりも、という意味で。というのは最近、「このコンテンツ、AI生成だよね..?」と、疑心暗鬼に陥ることが多くなったからです。もちろん、生成AIはとても便利で強力です。たとえば「情報をまとめる」などの用途だと、その精度はもう確実に人間を上回ります。
米国の大学で、実験があったそうです。すべてAIで生成された多数の文章を用意し、被験者に「このうち、半分は人間が作ったものです」と(ウソを)伝えて読ませる。
その結果は、素人でも容易に予測できますね。被験者はみな、「人間が作った文の方が圧倒的に良い」と答えたそうです。まあ、そうなりますよね。人間の心理というか、本能というか、そういうものをわかりやすく表していると思います。
このような結果は、最近の自分の日々でも実感します。LinkedInなどのSNS投稿を読んでいて、途中で「あ、これは生成AIの結果をそのままコピペしただけだな..」と気づくことがあります。いま、急激に増えてきました。
そうなると面白いもので、最初は熱心に読もうとしていたものの、AI生成だと分かったとたんになぜか "真剣に読む気が失せて" しまうのです。
"実利的なコンテンツ" という意味では、貴重な情報が含まれていることも多々あるでしょう。上述の通り、むしろ人間が書く場合よりもうまく内容が網羅されていて、構造化もうまい。
しかし.. なぜか、文の価値としてはとても薄く感じられる。ましてや、その投稿にコメントを付けようという気になど普通の感覚だとなりにくいものです(それでも、一つの試みとして私は付けてますが)。
AIは、まさに「使い方」が大事ですよね。コミュニケーションは、やはり人間と人間が基本だということだと思います。われわれ人間の本能、として。
江藤さんにお会いしてきました。
江藤さんは、自分が新卒で入った人材会社で、私の退職と入れ違いのタイミングで入社された方です。当時の文化を共有しており、いろいろな話に花が咲きました。
私はその後、起業したり、いろいろな事業を手掛けたりしてきましたが、江藤さんは20年以上に渡り一貫して「人が働くということ」の支援に集中してご尽力されてきました。すばらしいビジョンだと思います。
最近、思うことがあります。
個人のキャリア選択や転職に関する手段は、テクノロジーの発展のおかげでいろいろなサービスやツールが出てきました。AIなどはまさにその顕著な例です。いま、AIを活用していると謳った転職ツールが各社から山ほどリリースされつつあります。
しかし、だからこそ、やっぱり(一周回って)"人" がサポートする価値が問われているのではないかと。
江藤さんとリアルにお話していて(ノンストップで2時間以上も)、そのことを強く感じました。私も転職エージェントからキャリアをスタートし、その後は起業も含めてHRテック側にも寄っていきましたが、いまあらためて「人というサポーター」の価値を再認識しています。
AIとシステムの力を使い、「1秒で転職できる世界」を目指すと公言する業界リーダーもいらっしゃいます。
が、アプリでマッチングする短期労働ならともかく、自分の一生を左右する仕事というものを、AIで1秒で決めて心から満足できる人がどれくらいいるでしょうか。
私も、あらためてこの点について追求していきたいと思っています。AIは、とても強力です。私も、多くの場面で活用を進めています。
しかしながら、だからこそ、「人」が持つ真の価値を、本気で探ることが必要だと考えているのです。