アイデアが出ないと悩むあなたへ、誰でもできる2つのフレームワーク
日経COMEMO KOL / 株式会社Another works代表の大林です。複業したい個人と企業・自治体を繋ぐ総合型複業マッチングプラットフォーム「複業クラウド」を運営しております。
全国的に起業熱が高まり、行政の支援や支援機関からのサポートが拡充され、以前と比較し「起業しやすい」環境が増えてきています。記事では福岡県の取り組みが紹介されており、上京後に地元に戻って屋台の出店を決めた「Uターン起業家」に融資をするなどし県内での起業・企業経営をバックアップしていると言います。
私も多くの若手起業家やこれから起業したい学生からご相談いただくことも多いのですが、中でも多い相談が「起業したいけどアイデアが浮かばない」というものです。「ぼんやりとした発想はあるものの具体化できない」「漠然と叶えたい未来はあるもののビジネスアイデアとしてアウトプットできない」という想いはあるものの形にできないというのは多くの人が頷く共通の悩みでしょう。
そこで今回はアイデア出しに悩んでいる方に向けて、私なりのアイデア創出術をお話しさせていただきます。起業を目指す方、社内で新規事業を立ち上げようとしている方にぜひ参考にしていただければと思います。
2番煎じは”悪”ではない
まず大前提として知っておいていただきたいのは、ほとんどのアイデアはすでに世の中に出ているということです。「日本初」「世界初」と思いついても、大抵はどこかで似たようなサービスが展開されています。解決したい課題が社会課題であればあるほど、課題を抱える人が多ければ多いほど、解決したいと志す人も多くなります。唯一無二のアイデアだと思って調べてみると「既にスタートアップができていた」「既に大手企業の新規事業でスタートしていた」と肩を落とすこともザラではありません。
しかし、これは全く問題ではありません。むしろ、2番煎じ、3番煎じでもいいんです。それはなぜか。自分が知らなかったということは、まだ当たり前になっていないということだからです。その業界において圧倒的なトッププレイヤーがいない状態、つまり、まだまだ自らがリーディングカンパニーになれる余白が残っています。生み出したアイデアに先行者がいるからと諦めてしまうのは、勝負ができるチャンスを自ら手放していると思った方が良いでしょう。
アイデアを生み出す2つのアプローチ
アイデアを生み出すアプローチには、大きく分けて2つあります。多くの解説がされているものですが、私なりに言語化したので参考になれば嬉しいです。
1つ目は「プロダクトアウト的発想」です。これは簡単に言うと「あったらいいな」という発想です。皆さんお馴染みの「ドラえもんの道具」を思い浮かべてください。タケコプターもどこでもドアももしもボックスも、全部「あったらいいな」「できたらいいな」から生まれていますよね。私も実は起業する前に『ひみつ道具大事典』を買いました。(今でもオフィスに置いています。)実現したい理想や夢(=あったらいいな)を形にしていくためには、常に「できる理由から探すこと」が大切です。今の常識や価値観に囚われているとつい「できない理由」ばかり見つかっていきます。「どうしたら実現できるか」常にできる理由から考え、アイデアを形にしていきましょう。
2つ目は「マーケットイン的発想」です。これは”課題”から発想するアイデアの出し方です。多くのケースでは日本や世界の解決しなくてはならない社会課題を捉え、どのアプローチで解決していくのか、言語化していきます。また(限定的な市場にならないよう注意が必要ですが)自分や身近な人が抱える「これがないと本当に困る」「この課題を解決しなければならない」という強い課題感からアイデアを生み出していきます。
この2つの手法はどちらのアプローチを取ったとしても有効ですが、私のケースでお話しすると(企業向けに展開した「複業クラウド」を立ち上げる際は)どちらかというと「マーケットイン的発想」に近い形でアイデアを形にしていきました。新卒で人材大手に入り、業務委託人材紹介の営業を通じて直に「企業が本当に人で困っている」という課題を目の当たりにしていく中で「雇用形態関わらず人一人でも入ることで組織が変わっていく」という可能性を見出し、複業・業務委託人材を月額定額で何名でも採用できる複業マッチングプラットフォームを着想しました。
覚悟を決めることは簡単、磨き続けることが最も難しい
ここまでアイデアを形にするための2つの手法についてお話ししてきましたが、アイデアを実現させる上で最も重要なのは「覚悟」です。よく聞かれる質問の1つに解決したい課題や提供したい価値において「原体験はあった方がいいですか」があります。私は原体験はあるに越したことはないものの、全くなくても何ら支障がないと思っています。むしろ、「そのビジネスで絶対にトップを取ろう」「自分が日本の社会構造を変えてやろう」という「覚悟」の方が圧倒的に重要です。強い想いがあれば原体験に勝る経験や体験、何よりその課題に対する”感情”が後からついてくるものです。
また、言ってしまえば「覚悟」を決めることは誰にでもできることです。しかし、決めた覚悟を磨き続け、誰に批判されたとしても、どんなにできないと言われ続けても立ち続けることは圧倒的に難しいものです。大事なのは経営者自身が単純にそのドメインが「好き」でずっと「没頭」し「熱中」できるかにかかっています。サービスを提供していく中で、本当に困っている人を見て、自分たちのサービスで解決できる姿を見てきて、自分たちじゃないとこういった人たちを救えないという思いが、覚悟を磨いていきます。この覚悟のブラッシュアップの連続が、最終的な成功に繋がっていきます。
まとめ
ここまでアイデア出しに悩んでいる方に向けて、ポイントを整理して紹介してきました。このnoteが今まで足踏みしていた1歩を踏み出す僅かなきっかけになればとても嬉しく思います。そして、どんなに素晴らしいアイデアでも、それを行動に移さなければ価値はなくなっていきます。アイデアを思いついたら、実現させるための覚悟を決め、一歩踏み出してみてください。
大林 尚朝 / NAOTOMO OBAYASHI
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