カンブリアナイト16(前半)

EDGEofにてカンブリアナイト16を開催しました。

カンブリアナイトとは、約5億5千万年前の生物の多様性が爆発的に増えた「カンブリア大爆発」に由来しています。カンブリア大爆発は、動物が眼を手に入れたことによって後押しされたのではないか、という説があります。

現在、我々は様々なセンサーを手に入れています。これは、技術によって生み出された、新しい眼と言えます。この新しい眼によって、様々なデータが「みえる」ようになりました。それを解析することで、データが情報化され「わかる」ようになります。それらを活用することで、様々な介入が「できる」ようになります。その結果、課題が解決し「かわる」ことができます。ひとつの大きなサービスが多様な課題をすべて解決できるはずもなく、それぞれの課題に対する介入が求められます。

この「みえる」「わかる」「できる」「かわる」のサイクルを回すことで、新たな時代を生み出す原動力になるのではないかと考えています。ただ、「みえる」「わかる」領域は、センサーをつくったり、解析エンジンをつくったりするテクノロジーの会社であることが多く、介入サービスまで対応することが難しい場合があります。そのため、状態を可視化したものを情報として利用者にフィードバックするため、「具合がよくないのはわかったけれど、どうすればいいのか?」という状況となり、状態が「かわらない」ことがあります。一方で、「できる」領域の介入事業をされている方々は、スポーツトレーナー、食、育児、教育、介護、心理臨床など、人に直接触れ、課題を解決する能力を持ちながら、比較的アナログな領域であるため、最新テクノロジーから遠く、それらの技術を十分に活用しきれていない場合があります。

この両者を結びつけるために、1,000円で飲み放題という、カジュアルな場を用意しています。

今回は、その16回目。

EDGEofという、最先端テクノロジーと世界規模のネットワークが融合する、メタコミュニティとしてグローバルに活動する場をお借りしての開催となりました。

https://edgeof.co/ja/

いつもは、3組のプレゼンを聞き、コラボレーションの可能性などをカジュアルに議論していく会なのですが、今回は特別に「縁日形式」と言いながらブース展示形式をとってみました。プレゼン形式だと、1組目に興味を持って個別に話をしている間に、2組目を聞き逃してしまう、という声が寄せられていました。その解決策として試してみました。考えてみれば、よくある展示会形式にも思えるのですが、そこはカンブリアナイト。展示側が飲む暇がなかったほど、熱気触れる場となっていました。

1)QD Laser

光で網膜に映像を映し出す「ビリジウム」テクノロジー。ロービジョンの視覚支援や、新たな拡張現実体験を実現する画期的なアイウェアが登場。

レーザーを網膜に照射することによって、くっきりとした映像を見ることができる。実際に試してみました。僕は、老眼がはじまっているのですが、普段はなんとか裸眼で生活しています。そのため実験として、度の強いレンズをはさみ、視界がぼやけた状態でレーザーにて映像を見てみたのですが、くっきりと見えました。視力を補う使い道のほか、どのような活用の可能性が考えられるのか。テクノロジーによる介入事業として、たくさんの可能性を感じました。

https://www.qdlaser.com/

2)Empath

海外のピッチイベント総ナメのスタートアップ界の鬼才集団。リアルタイムの音声感情解析エンジンは、ドバイの連邦内務省にも導入済み。

すでにベンチャー界隈では有名ですが、様々な国で注目を集めつつある、音声のリアルタイム感情解析エンジンを提供しています。言語に依存しないため、様々な国で活用できるという可能性に、大きな広がりを感じます。まさに「みえる」「わかる」領域に特化しています。そのため、どのようなパートナーと組むのかによって「できる」の内容が決まってきます。リアルタイムに感情を知りたい、というニーズのある方。それはなぜかをぜひ教えてください。それを解決するための介入をデザインできる人を彼らが見つけられるようになると思います。

https://webempath.com/

3)丸尾歯科医

デジタルデンティストリ。3Dスキャン、3Dプリンティング、VR、MRとデジタルテクノロジーを駆使する最先端歯科医療。その本物の実機が登場。

最近、歯科クリニックに行きましたか? 歯型をとるときに、赤いにちゃにちゃしたものを噛んで、しばらく待ったの、いつでしたか? 最先端の歯科では、もはや3Dスキャナで歯型がとれます。噛み合わせも一発。そのデータを3Dプリンターに転送すれば、義歯の加工も、インプラントガイドも作れます。また、患者説明も、VRを活用すれば驚くほど理解が深まります。各種の「みえる」「わかる」技術を、歯科治療の領域の「できる」プロフェッショナルが活用した事例でした。新たな技術を紹介することで、さらに歯科治療の現場が変わっていくでしょう。

https://www.maruo-dental.com/director/

続きは後半で。

https://comemo.io/entries/10568

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?