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信頼されるリーダーの8つの共通点

日経COMEMO KOL / 株式会社Another works代表の大林です。複業したい個人と企業・自治体を繋ぐ総合型複業マッチングプラットフォーム「複業クラウド」を運営しております。

今回は、経営者としてよくご質問をいただく「信頼されるリーダーとはどういう人か」「どのような人がリーダーになれるのか」ついて私なりの考えを整理しまとめました。

大前提として、リーダーに必要な要素は目標への執着と達成癖です。結果を出し続けたものこそが上に立ち、チームを率いながら会社の大義を実現するための期待をポジションという形で得ることができます。結果を出していないものに人はついていかない、これは不変です。しかし、単純に成果を出せばよいという考えの人は、リーダーには適していないかもしれません。そこでリーダーが持つべき8つの素養について私なりの考えをお話ししていきたいと思います。

①小さな約束を必ず守る

例えば、ミーティングでの予算確保に関する約束など、大きな約束は誰もが必ず守るものです。大半の場合がログを残したり、議事録を残したりと約束が形に残るケースが多いですが、口約束であれどこれらの約束は当然のこととして守られます。一方で、「食事に行く」「後で連絡する」「返信しておく」といった些細な約束をあなたは守れていますか?意外と「言ったきり実現しない…」ことが多いのではないでしょうか。このような口約束について、受けたリーダーや上司が忘れてしまっていたとしても、メンバーは確実に覚えているものです。小さな約束を守り続けることが、リーダーへの信頼へ繋がることを意識すべきだと考えています。

②率先垂範の姿勢

私は信頼されるリーダーはプレイングリーダーであると考えています。単なる指示出しや評論家のようなリーダーは、急速に信頼を失っていきます。これはリーダーに限らず、経営層も同様です。常に「自ら行動する姿勢」を忘れず、背中で見せていくことがリーダーへの信頼へ繋がります。もちろん私自身もクライアントへの提案やピッチをはじめ、noteやYouTubeを通じた発信を自らアクションし続け、行動からしか得ることができない一次情報と次なる仮説を検証し続けています。

③部下の成功を誰よりも喜べるか

部下の成功を自分のことのように、ときには成功した本人よりも喜ぶことができるか、そしてその喜びを感謝として伝えることができるかはリーダーが持つ素養として非常に重要です。たとえ、自らも大きく成果に貢献していたとしても、それをメンバーの成功として純粋に喜べるかどうかが重要です。いつまでも「自分が認められたい」という自己顕示欲や承認欲求が強すぎることは危険です。その欲求の対象を自分からまずはチームに向け、チームとしての成果を追うことができれば非常に優秀なリーダーに近づくことができるでしょう。

④曖昧な指示を出さない

「言われなくても分かってほしい」「そこまで説明しなくても汲み取って欲しい」というリーダーの願望を込めた曖昧な指示は避けるべきです。メンバーにとっては求められている期待と成果が分からず闇雲に取り組まざるを得なくなるだけでなく、完了した後の達成感も味わうことができず、心理的安全性と成長実感が失われていきます。だからこそ、指示を出す際は、期待する成果を明確に伝え、必ず具体的な期日を添えることが重要です。適切な成果と期日設定がなければ、メンバーは「いつ」「何を」「どうやって」取り組めばいいのか想定することができないでしょう。

⑤常に上機嫌であること

リーダーは感情の起伏をできるなくし、常に一定(上機嫌)であるべきだと考えています。特に月末の目標達成に向けた追い込み時期では、チーム全体がピリついてしまうことがあるでしょう。しかしリーダーが焦りや不安を見せることはチーム全体の不安を増幅させることに繋がります。どんな困難な状況でも感情的になることは避け、冷静で前向きな態度を維持する必要があるのです。また、イライラややるせなさが態度に出てしまうと(口にはせずとも)常日頃一緒にいるメンバーは敏感に感じ取っていきます。感情の起伏がそれまで積み重ねてきた信頼と実績を信頼を失うことになりかねません。

⑥愛を持ってフィードバック

”批判”だけでは人は動きません。相手の成功を真摯に考え、成果とその先にある成長と幸福度が高い状態を目指した建設的なフィードバックを行うことが重要です。これらの想いがあれば自然と「○○さんの成長と幸せを願って」「数年後、もっと活躍して欲しいと思っているので」といった枕詞がついてくるはずです。この一言で受けての感情や次の行動が伝わり方が大きく変わってきます。また、”フィードバックをしない”こともリーダーとして不適切である場面もあります。心から相手の成長を願っているからこそ口にして伝えることが大切です。

⑦他部門との関係構築

リーダーとは、メンバーを背負いチームを代表する存在です。メンバーにとっては(特に)社内において「⚪︎⚪︎さんがリーダーのチームです」と認識されたり紹介されることが多くあります。だからこそ、リーダーの評判や社内との関係性はメンバーにも影響してくるのです。他チームや他部門との良好な関係を築くことができていれば、メンバーが他部門と連携する際もコミュニケーションも円滑になり、チームへの帰属意識も高まっていくでしょう。

⑧失敗を許容する雰囲気作り

失敗をよしとしないチームでは新たな挑戦やイノベーションは生まれません。チャレンジした結果としてうまくいかなかった場合でも、「ナイスチャレンジ」と評価し、次につながる教訓として共に言語化し、チームで共有し、次なる挑戦を応援する雰囲気作りが重要です。私は「失敗」という概念は存在せず、全ては「部分的成功」だと捉え、メンバーに伝えて続けています。たとえこの1回がうまくいかなくても最終的に成功へ繋がれば良いのです。この姿勢は心理的安全性を高め、自律的な行動を生み出す土壌となります。

ここまで私なりに整理した信頼されるリーダーが持つ8つの共通点についてお話ししてきました。日経電子版では「私のリーダー論」として第一線の経営者の経営哲学やマネジメント手法からリーダーのあり方を紐解くコラム連載があります。こちらも勉強になるのでぜひチェックしてみてください。


大林 尚朝 / NAOTOMO OBAYASHI
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