見出し画像

お勧めの総合商社、入ってはいけない総合商社

今日も主に大学生や若手社会人の方向けに、キャリアアドバイスしていきたいと思います。


前に「総合商社には就職するな」という話をしたんですが、おかげさまで非常に好評でした。今日はその続編として、その総合商社の中でも、お勧めの総合商社、入ってはいけない総合商社について解説します。

就活とかの初期段階だと、総合商社で一括りして、業界を理解しようとするのですが、各商社、特徴があるので、そのあたりの話もします。

早速本題に入ります。まず、前半で、各商社の強みや働いている人の特徴を、そして、後半にかけて、勧める商社、勧めない商社、についてもお話しします。

(1) それぞれの商社の強みの分野は?

5大商社、それぞれ注力分野、得意分野が全然違って、その得意分野の将来性によって、就職すべきかどうか見えてきます。そこから解説していきます。

三菱商事の強みは総合力でしょうか。


利益自体は、金融など資源分野の利益が多いですが、最近ですと、自動運転やらMaaS、Mobility as a serviceなどでの投資が目立ちます。あとは、ローソンも三菱商事がやってますが、リテール事業、食品産業は昔から三菱の強い分野と言えます。

三井物産と言えば、資源分野でしょう。なので、資源価格が変動すると、会社の利益に大きく影響してしまいます。それだとビジネスが危ない、ということで、最近だと、インフラやヘルスケアに力をいれているように見受けられます。

伊藤忠商事の強みは、非資源分野で生活消費関連ビジネスですね。伊藤忠商事は、近年、5大商社の中で、伸びているイメージある人多いかもしれませんが、今まで王者の三菱を伊藤忠商事が挑戦者として追いかけている状態でしたが、なんと、2020年6月2日に伊藤忠商事が時価総額で、はじめて商社でトップになり、三菱商事を逆転してしまいました。今日現在では、伊藤忠の時価総額は6.7兆円ぐらいで、三菱商事は、6.9兆円ほどということで拮抗しています。ちなみに、三井物産は、5.6兆円、住友商事は、2.7兆円、丸紅は、2.6兆円ほどの時価総額です。


で、話を戻すと、伊藤忠のルーツは繊維業で、その経緯で色んなファッションブランドを抱えてきました。あとは、ローソンの三菱商事に対抗して、伊藤忠がファミリーマートの経営をしています。

また、5大商社の中で最も積極的にベンチャー投資も行ってまして、情報、金融カンパニーでフィンテック、ヘルスケア、宇宙事業など成長領域のビジネスを手掛けており、私としては、総合商社で一押しですね。

あと、2つですね。住友商事と言えば、メディア事業ですね。
営業部門で「メディア」とつく部門があるのは、総合商社の中で実は住友商事だけなんですよね。実は、ケーブルテレビ国内シェアNo.1のJ:COMと提携していることからもメディア事業を重要視しているのが分かりますね。
あとは、建設機械とか航空機のリースでも国内の総合商社ではNo.1です。

最後は丸紅です。丸紅と言えば穀物ですよね、食の分野です。
穀物の取扱量は国内でNo.1でそこから派生している飼料や肥料のビジネスで大きな収益をあげています。
食と言えば、伊藤忠はリテールなど川下に強いですが、丸紅は、川上に強いと言えます。
あとは、電力分野です。電力の発電容量も国内No.1です。


(2) 働いている人の違いは?

先ほど、事業について話したんですが、働いている人の違いも注目すべき点かもしれません。自分に合う会社を選ぶと中でも昇進しやすいのは確かです。人の違いについて話した後、最後、私の私見を話します。

三菱商事の人は、堅いイメージあります。やはり天下の三菱ですし、半分、ある意味、国家公務員のような、国を責任感を持っているような人が他社に比べて多いと思われます。

比較して、三井物産の人は、堅い、と言われることは少ない印象があります。明るくて、饒舌な人が多いんじゃないでしょうか。

次の伊藤忠商事の人は、体育会で泥臭いイメージが強いかもしれませんが、元々伊藤忠商事は、大阪の会社ですし、商売人の色が強く、現場主義の会社と言えます。なので、ウェットな人間関係、熱い感じの人は伊藤忠商事が合うかもしれませんね。

住友商事の人は、他の財閥系の企業に比べると、若干、自己主張が控えめな印象を受けますし、社風も比較的、穏やかでアットホームな雰囲気と聞きます。他社に比べると協調性を重要視しているんじゃないでしょうか。

最後は丸紅です。とがった丸になれ、丸紅、という有名なスローガンがありますよね。これは、既成概念を崩すような人材になれ、という同社からのメッセージです。

やはりこのスローガン通り、とがった人が多い印象があります。個人の興味、関心を尊重したり、大企業では比較的珍しく、好きなことを仕事にしよう、という価値観が社内にも浸透していて、好きなことができる実現可能性が他社と比べて高いのかもしれません。

商社だと実際入ってもやりたいことができない、こと多いですが、丸紅は比較的、個人の意見を尊重してくれる風土とも言えます。


(3) 私のおススメする商社、入ってはいけない商社

最後にめがねシャチョウが勧める商社、入ってはいけない商社、についてですが、結論から言うと、商社はすすめません。

いわゆるエリートのみが入社を許される総合商社で、高い給与と終身雇用も約束されますが、近年ですと、優秀な若者が20代、30代でどんどんやめています。

一番のリスクは、自分のキャリアを自分で選択できないことです。若いときは、思いもよらない国に駐在して仕事できるのは刺激的な経験ですけど、いざ、家族ができると来月からアフリカ行け、ロシア行け、と言われても困りますし、これに限らず、自分の人生を会社に振り回され続けることになります。

あとスキルがつくのか、といったところも疑問です。

例えば、商社で魅力的で特徴的なのは、国内外の事業会社に投資して、人を送り込む、というビジネスモデルですね。最近だと、国内ベンチャー企業にも出資して人を送り込む例も増えています。

ただ、肝心の経営を回すノウハウを商社は持ってないんですよね。
投資なら投資で例えば、プライベートエクイティとか、経営なら経営で、例えば、リクルートであったりとか、ベンチャー起業とか戦略コンサルだとか、もっとしっかりスキルを身に着けられる環境に身をおいたほうがいいと思います。

要するに、商社にいても、労働市場で評価されるスキルは身に着きにくい、ということで、終身雇用で商社内でずっといるんだったらいいですが、このご時世、また、特に私のnoteを見てくれている人はモチベーションの高い人も多いでしょうから、終身雇用を目指している人は少ないんじゃないでしょうか。であれば、もっと、各分野のスキルがしっかりと身につくところに入ったほうがいいとは思います。

今日は、お勧めの総合商社、入ってはいけない総合商社、という話をさせていただきました。

ありがとうございました。


この記事が参加している募集

仕事について話そう

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?