お金がないと不幸だけど、お金があっても幸福にはならない
「未婚と既婚とでは幸福度が全然違う! 」という話は以前、こちらの記事で解説しました。
既婚に比べて、未婚は圧倒的に不幸度が高いのですが、では、それは未婚と既婚の収入の違いに起因するものでしょうか?
なんとなく低収入=不幸、高収入=幸福だと思っていませんか?
年収ごとに幸福度・不幸度を調査してみました。
結果がこちらです。
青いグラフ(幸福)を見てお分かりの通り、年収が高いほど幸福度は増しますし、赤いグラフ(不幸)を見れば、年収が高いほど不幸度が下がっていることがわかります。大きな傾向で言えば、幸福度は収入の多寡で決まると言えるかもしれません。
特にソロ男を見ると、300万未満の年収では、不幸>幸福と不幸の率が幸福を上回ります。同じ300万未満年収の既婚男と比べて、異常に不幸度が高いことがわかります。つまり、ソロ男が不幸である要因とは、「低年収」によってもたらされている可能性が高い。
ところが、その低年収によって不幸度MAXのソロ男も、1000万円以上の年収になると、また不幸度があがります。300万未満の人とは同等にはなりませんが、高年収を得たのに不幸度があがるというのはどういうことでしょうか?
同じことが、既婚男性・既婚女性にも見られます。
既婚男性も1000万円以上で不幸度があがりますし、既婚女性も不幸度があがると同時に、幸福度まで下がっています。
お金を得れば幸福になるというわけではないのです。
お金がなければ、何かと困ることもあるし、それによって不幸を感じることもあるでしょうが、お金があったらあったで、別の不幸のタネが生まれてくる。
アメリカの経済学者ダニエル・カーネマンは、人間の「感情的幸福」は年収7万5千ドルまでは収入増に比例して増加するのに対し、7万5千ドル以上になると比例しなくなる、という研究結果を報告しています。日本円で換算すると年収800万円あたりがその分岐点で、まさに上記のグラフの結果と一致します。
なぜ、そのあたりの金額を境に幸福度があがらなくなるのか、については諸説あります。それについてはまた別の機会に。
それでも、唯一、ソロ女だけは年収の上昇と幸福度の上昇がきれいに比例相関しています。さすが「愛より金」意識の強いソロ女。清々しいほどに終始一貫しています。