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トラブルに「対処」する人と、「解決」する人の違いについて。

ビジネスにはトラブルがつきものだ。
個人的に2024年は経営者1年目だったこともあり、多くのトラブルに遭遇した。

BtoCのお客様トラブルもあれば、BtoBのシステムトラブル、社内の人事トラブルなど、その種類は多岐にわたる。

その対応についても様々だ。

自分で対応したトラブルもあれば、チームメンバーに任せたトラブルもある。

そんな多くの「トラブル対応」で気づいたことがある。

「対処する」「解決する」の違いだ。

自分への戒めも込めて、年の瀬に今一度整理しておきたいと思う。

今日はそんな話。

◼️対処と解決の違い

毎日あらゆる対応をしていると、しばらくしてから思い出すトラブルもある。

「そういえばトラブルがあった気がするけど、結局どうなったんだっけ?」

そう思いだすと、担当者に「あの件って、どうなりました?」と聞いてみる。

そしてこの返答には、かなりの種類と段階があることを学んだ。

その種類と段階を大きく分けると4つ。

①.対処してない
②.対処した(が解決してない)
③.解決している最中
④.解決済み

の4つだ。

もちろんマネジメントとしては④(解決済み)の回答が望ましいが、そんなことは滅多にない。

多くの場合が②(対処した)か③(解決中)の段階にいる。
しかし②と③の間には深い溝が存在する。

その中でも最も危険なパターンとして、②を「解決」と捉えているケースが挙げられる。

この時、対処した本人は③(解決中)の段階が存在することに気づいていないことが多い。「対処した=解決した」と認識している可能性があるのだ。

いわゆる問題の先送りになってしまっている。

この場合は「対処と解決の違い」について擦り合わせる必要がある。

その時に使うであろうトラブル対応を構造で整理してみた。

◼️対処と解決の優先順位

トラブルが起こった時(①)に「まず対処する(②)」ことは重要だ。

どんなトラブルでも「根本的な解決」には時間を要することが多い。

ただ対処はあくまでも対処であって、解決ではない。短期的な解決であって、根本的な解決ではない。

次にいつ同じ事象が起こるかわからないかわからない間は「解決した」という表現は適さない。しかし、スピード感を重視するビジネスパーソンに限って、単なる対処を「解決」だと勘違いしているケースがある。

次に同じ現象が起こった際にも、対処療法的に対応すればいいと思ってしまうと、トラブルはなくならない。

この場合は「それは対処であって、解決ではない」と共通認識を持つ必要がある。


一方で、対処せずに解決を優先し過ぎてしまうパターンもある。


まずは目の前のお客様に対処すべきところを「今、原因を調査中です」と回答してしまう。根本的な解決を優先し過ぎてしまう(システム系のトラブルにありがちな)パターンだ。

この場合は「まずは目の前のお客様の対処をしましょう」と指摘する必要がある。

「解決する」も重要だが、優先順位を間違えてはならない。

これらのケースに陥らないよう、トラブル発生からの対応を順番に整理してみる。

◼️解決中のどのフェースにいるか

以下は個人的に整理しただけが、

「あのトラブルの件って、どうなりました?」

と上長に聞かれた時は、この①〜④のどの段階にいるかを答えるのがいいだろう。

特に細分化されるのは③(解決中)のフェーズだ。

特に上長が気にしがちなのは大抵、原因の特定ができているのか?(③-2)という分岐点だ。

それができていれば、同様の事態にも対応できるので、まずはここまで来ているのか?を伝えた方がいい。

その上で、③-4(解決に向けたリソースとスケジュールの確保)を進言するのも重要だ。

多くのプロジェクトは、トラブル対応を想定してリソースもスケジュールも計画されていない。しかし一度トラブルが起こった以上、二次災害を起こさないためにそのリカバリーは必要だ。

しかし上司という立場も些かいい加減なもので「対処」で「一旦は解決した」と、満足してしまう人もいる。

そのため、③-4(解決のリソースとスケジュール確保)は現場から進言する必要がある。

そうでないと二次災害が起こった際に「なぜあの時に予想できなかったのか!」と現場の責任にされてしまうこともあるだろう。

このようにトラブル対応には一定の型がある

この型を使えば、対処が解決でないことも把握できるし、解決中にも段階があることが共通言語になるだろう。

予想もしたくもないが、来年はこの型を使って現場とやりとりをしてみようと思う。

ただ一番はやはりトラブルが起こらないことなのだが(そんなことはもちろんない)

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小島 雄一郎
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