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KDDI四連覇、次点は、トヨタ自動車、ソフトバンク、ソニー、JR東日本。

こんにちは。新規事業家の守屋実です。

経済産業省などが実施する、スタートアップ側から評価されている大企業ランキングが発表されました。事業連携する協業プログラムの充実や出資への積極的な姿勢が支持を集め、KDDIが4年連続で首位になったとのこと。KDDIのみなさん、おめでとうございますっ!


スタートアップから評価されている大企業ランキング

スタートアップに評価されるとは、どういうことか? いくつかの側面あるなかの一つは「事業創造の量、質、速が格段に広がる」ということかと。
DXが進んで革新のスピードが上がり、コロナで先々見えなくなって、自社単独での事業創造から、強みを活かした共創に力点がシフトしている(せざるを得ない)のだと思います。

JR東日本スタートアップ

日本経済新聞の記事によると、JR東日本は第5位でした。この順位の背景には、JR東日本スタートアップ株式会社の存在があると思っていて、今回は、そのJR東日本スタートアップの頑張りについて、書いてみたいと思います。日経新聞の記事の行間をいくぶんなりともお伝えすることで、新聞がもっと面白く、記事がもっとためになるとイイなぁ、と思っています。

JR東日本スタートアップは、JR東日本のCVC(コーポレートベンチャーキャピタル)です。スタートアップのアイデアや技術と、JR東日本グループの経営資源を繋ぎ、豊かな暮らしや元気な街、新しい社会を創っていくことを目的とし、本体から新規事業を切り離す、いわゆる「出島戦略」のカタチで設立されました。

923→92→41

今回の「第5位」に選出された背景とも言える数字があります。それは、「923→92→41」です。これ、なんの数字かというと、じつは、以下になります。

・923=JR東日本との共創に応募のあったスタートアップの数。

・92=有望な事業案であるとみなされて実証実験に突入した数。

・41=実証実験の結果、実際に生み出すことにした事業の数。

この数字、すごくないですか?しかも、この数字を生み出すために費やした時間は4年、人数は8人です。

ちなみに、923集まったのもすごいですし、41事業化しているのもすごいのですが、ポイントは実証実験の92だと思っています。なんでかというと、オープンイノベーションの難しさの一つに「集めたアイデアを事業化する意思決定が難しい」があると思っていて、平たく言うと「集めるだけ集めて、結局意思決定できず、やがて生まない(生めない)オープンイノベーションが出来上がる」という現象は、いまさら語るまでもないオープンイノベーションあるあるだと思うのです。それを回避し、本当に生み出す意思決定のポイントが実証実験だったのです。この実行力、実際に汗をかく運動量が、JR東日本グループの強みだと思っています。

JR東日本というインフラがあるからだとか、うちの会社にはいろんな事情があって難しいんだとか、立場が変わればいろいろ言いたいことはあると思いますが、だとしても、他の大企業にとっては、勇気づけられる数字であり、ベンチマークとなる数字であり、仕組みだと思います。

もちろん、この数字の背景には「人物在り」です。JR東日本スタートアップを設立時から率いている社長の柴田裕さんは有言実行の方で、愚直に生み出すということに一貫して向き合い続けています。JR東日本という大企業のなかにおいては、当然ですが新規事業を生み出しにくい大企業エトセトラが山ほどあり、それでも生み出せる環境を堅持する柴田さんのリーダーシップは、素晴らしいの一言です。

TOUCH TO GO

また、41事業のなかで先頭を走っている株式会社TOUCH TO GOの社長の阿久津智紀さんは、一騎当千の存在で、その行動力は本当に群を抜いています。阿久津さんを表現する言葉として、日本語としては間違っているのですが、「持続的瞬発力」がピッタリな方なのです。

このTOUCH TO GOは「商品を手に取るだけのウォークスルーの次世代のお買い物体験無人AI決済店舗」で、1号店はJR山手線の高輪ゲートウェイ駅でした。コロナが本格化する前にオープン、とっても活況だったのですが、その後のコロナで高輪ゲートウェイ駅の利用者数自体が壊滅的に激減。そのピンチを、阿久津さんは持ち前の行動力で、コロナを逆手にとって更なる躍進をさせました。

「無人AI決済=非対面」ということで、コロナ禍を逆手に取ったのです。以下はその会心の一撃、「ファミマ無人店1,000店舗」です。


この日経新聞の記事から言えること

と言うことで、今回の記事の行間を補足しながら守屋が思ったポイントは、

①スタートアップから評価されている大企業は、本当にやる大企業。

②本当にやるかどうかの差分は、人。

③JR東日本スタートアップのような会社が増えれば、我が国の大企業の未来は明るい。


あっ、もちろん、JR東日本のさらに上をいく、KDDI、トヨタ自動車、ソフトバンク、ソニーにも、最大の敬意です。とくに、4連覇のKDDI、素晴らしいの一言に尽きます。KDDI ∞ Laboの中馬さん、流石っ!

オマケ。以下は、中馬さんと一緒させてもらったイベント。


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