「選択」の数を少なくすれば、「子どもとの時間」はもっと楽しくなる
「ママー、今日は楽しかったねっ」
日曜日のある夜、子どもたちが布団に入り、これから寝ようとしている4歳の息子から、とても嬉しい一言をもらった。
平日に仕事を抱えている私だが、休日は子どもたちとの時間を充実させるために、毎週、脳内でさまざまなプランニングをしている
普段なら息子からもらった素敵な言葉に、達成感を感じるはずなのに、その日私は全く、喜ぶことが出来なかった。
"いつもの"ループから飛び出した休日
1歳と4歳を育てるワーキングマザーの休日は、とても平凡だ。通常は朝のお散歩をして、公園に行き、昼ご飯を食べた後、近くの児童図書館に行ったり、スーパーで買い出しをしたりする。
しかし、今週の土曜日は、いつもと違う休日の予定があった。保育園で友だちになったばかりのママ友から米国の季節イベント、「イースターエッグ祭」に声を掛けてもらったのだ。普段はいつもの公園といつもの図書館の往復をする日々なので、この日常のループから出られることに、ワクワクした。
集合場所もイベント内容もちゃんと理解していなかったけれど、1歳と4歳を連れて行ってみようと決意。
その日は、早起きして、朝からおにぎりをせっせと作り、子どもたちの衣類や持ち物の支度をした。そんな時に別の友人からLINEが入る。違う友人たちがピクニックをしているという。ので、その場所に合流させてもらうことにした。内容は割愛するが、とても楽しい、充実した時間を過ごすことが出来た。
■当日の流れ
8時:家を出発
9時:イースターエッグハントのイベントに参加
12時:友人たちのピクニックイベントに参加
14時:帰宅
いつもの日常からズレたときの"ぐったり感”はどこから?
いつもと違うスケジュールで進んだ休日の時間は、子供も私もとても楽しかった。
一方で、その日の夜になると、ぐったりして息子からの声掛けに対して、一緒に「楽しかった」という感情を味わうエネルギーさえも、私には残っていなかった。
子どもと楽しい時間を過ごしたい、親である私も友人たちと会話できる時間をもちたいとプランニングしたのに、どうして「疲れた一日」になってしまったのだろうか…。その後、数日間、家の中にあるイースターエッグを見るたびに、その”ぐったり感”の理由を考えた。
もんもんと考え続ける中で、「選択」に関する2冊の本に出会った。そして本には以下のように書かれていた。
私自身、「3万5000回? そんなに選択しているかな?」と思ったけれど、書籍の中では以下のようなデータが紹介されていた。
大成功を収めた人の多くには、毎日同じ服を着るという共通の習慣があるととある記事で読んだことがある。スティーブ・ジョブズ、バラク・オバマ前大統領など、決断の数を減らし、重要な決断に費やすエネルギーを増やすためだという。
私はこの日まで「決断疲れ」を感じたことは少なかった。しかし、子供が2人になったことで、自分のことに追加して彼らのために選択をする数が増えているのだと気づいた。
あらためて、母親業における選択の多さに気づく
一日における選択の多さを、母親業に置き換えてみる。すると、朝起きて、子どもたちの朝食を考えて身支度することから始まり、普段いかない公園へのルート検索や駐車場探しなど、やるべきことは多岐にわたる。目的地に到着すれば、初めて会う日本人そして米国人のママが居るので、それぞれに合わせて単語を選び自己紹介も必要だ。
つまり、移動や会話などで、細かな「選択」をしていくと、上限「3万5000回」の選択をゆうに超えていたのだ。
さらに、書籍によると人間の脳は1日に選択できる数が決まっていて、それ以上の選択をすると脳が「決断疲れ」を起こして、「決断の先送り」が増えていくとのこと。
実際に、私は当日の夜に、「今日のこの日が楽しかったのかどうか」さえ、わからなくなっていた。脳みそが、決断疲れを起こした結果なのかも知れない。
しかし逆に言えば、普段から選択する数を減らす訓練や、動線をつくっておくと、いつもと違うイベントに参加したとしても、より余裕を持って楽しめたのかも知れないと思った。
また、選択の上限は、一晩の睡眠によって一度リセットされるらしい。土日に新しい挑戦をしそうだなと思ったときには、前日に決めるべきことを全て決めておくといいのかもしれない。(衣類や朝ご飯を考える手間を減らすなど、選択を減らすための日々の工夫はいつかnoteに書き残したいと思う)
子どもと楽しかった感情を分かち合うために「選択の数」を減らす
楽しみにしていた週末。
そしてその日の終りには、子供からの最高の称賛の言葉をもらった。
しかし私自身は疲労感が上回っていた。
仕事でも、子育てでも日々積み重なる「選択」。
毎日、「小さな選択」をすることの繰り返しではあるが、大切なときに自分らしい選択ができるよう、「決断疲れ」を起こさないよう、子どもとの時間を心から味わえるように、必要な選択と不要な選択を見極めて行きたいと思った。
そして、限りあるエネルギーを使い切らず、一日の終りには「楽しかったね」と子どもと顔を見合わせながら眠りたいな、そんなふうに考えた。
参考記事