人間は利で動くが、「利」とは必ずしもお金ではない
新型コロナウイルスに関係する内容の可能性がある記事です。
新型コロナウイルス感染症については、必ず1次情報として厚生労働省首相官邸のウェブサイトなど公的機関で発表されている発生状況やQ&A、相談窓口の情報もご確認ください。またコロナワクチンに関する情報は首相官邸のウェブサイトをご確認ください。※非常時のため、すべての関連記事に本注意書きを一時的に出しています。
見出し画像

人間は利で動くが、「利」とは必ずしもお金ではない

相変わらず1年半以上も「人流抑制」と「緊急事態宣言」と禁止令しか能のない政府と分科会はもう解散した方がいいんじゃないかと思うわけです。いうに事欠いて「ロックダウンしろ」まで言い始めたらもうおしまいです。


大体、ロックダウンをやってきたイギリスでさえ、1日当たり感染者数5万人も出しているにも関わらず制限解除している。アメリカもそうだ。ロックダウンやってたオーストラリアはもう意味がないことを気づきやめた。

オーストラリアの首相は政治家として正しいし、リーダーの責任と覚悟とはこういうことだと思いますよ。いつまでもこんなのに付き合ってられません。多少の感染者が出たとしても国として人として生きる方向を目指すのか、感染者がゼロになるまで人間として息をしてても死んだようになれと命ずるのか、前者が当然の決断であることは明白。

ロックダウンに効果はないことは海外で数々数証明されているのに、ロックダウンとか言い出す日本の分科会はもうお役御免でよいのでは?

何しても感染は増える。問題は重症者と死者を増やさなければいいわけです。欧米のように経験とデータによってアップデートするのが当たり前なのに、日本は延々と同じことしか言わない。しかも、ずっと「〇〇するな」という禁止令ばかり。

「〇〇するな」と言われて素直にそれを人間が守れるなら、そもそも「鶴の恩返し」も「浦島太郎」も物語になってないっていうの。禁止令なんて無能な為政者がやる下の下策です。

人間を動かすには何が大切なのかがまるでわかっていない。

孫子は言いました。「人間の本性が善か悪かなんてどうでもよくて、人間とは利につられ、害をさけて動くものだ。それがわからない奴はリーダーとか君主とかやっちゃならねえ」と。

激しく同意する。

そうした人間の性を理解してない人間は政治家なんてやらない方がいい。ここでいう利とは必ずしも「金」のことではない。人によって「金」が利である人もいるだろうが、「休暇」が利である人もいる、「仕事する」こと自体が利である人もいる。つまり、人によって利も様々で、そうした大衆の多くの利に対していかにこたえていくべきかを考え、実行するのが政治家なんじゃないですか。 

そして、この利は、直接的にその利の恩恵を受ける人以外も感動させ、動かす力もある。そんな事例を紹介します。

ハイネケンがコロナ禍下の欧州で実施した「シャッターAD」という企画です。ロックダウンなどに伴う休業によって廃業の危機に瀕したバーに対して、ハイネケンが行った粋な計らいです。

屋外広告等に使っていた予算をやめて、休業してるバーのシャッターを広告メディアとして活用することを提案。店主には広告料が入る仕組み。売るための広告じゃない支え合うための広告。

画像3

8/20に、それを紹介したこちらの僕のツイートが超バズりました。2.4万いいねと1.3万RTいただきました。

こちらはイタリアだけではなく、スペイン、ドイツ、アルゼンチンなどでも展開されました。具体的にはバルセロナ、マドリード、ミラノ、ベルリン、ハンブルグ、ブエノスアイレスなど。仕掛けたのは、クリエイティブエージェンシーのPublicis Italy。フランスに本社のある会社です。すごい昔、ルノーの仕事でご一緒したことがあります。

この企画の何が素晴らしいって、これを見た人は多分ほとんどの人が「ハイネケンすばらしい!」と企業イメージをあげるだけにとどまらず、売る広告でないにも関わらず販促効果も発揮していること。

実際、ツイートを見て「いいね」した方の多くが「ハイネケン買おう」とリプしていました。そうしたくなってしまう力がある。しかし、ハイネケンにとっての顧客は一般の消費者だけじゃない。バーの店主も納入してくれる大事な顧客です。そうした客の窮地を救う、大事にするという姿勢も伝わってくる。

何より、これがただの援助ではないというところが味噌です。ハイネケンは彼らバーの店主に広告メディア主としての仕事を与えたことになるのです。ただ単に金を配ったのではない。あなたの店はそれだけの価値があると認定した。それは店主にとっても誇らしいでしょう。休業は仕方ないけど、その期間中は一緒に戦いましょう、と言っているようなものです。休業を是としているのではない。この期間中も一緒にがんばろうといっているのだ。

広告コピーもいかしています。「こう見えてこのバー、エネルギー充填中」などもあって、再開に向けて前向きな感じがいい。勿論これだけでバーが救われるものではないが気持ちが嬉しいじゃん。

ハイネケンが提供した「利」とはまさにこれで、「前向きな気持ち」と「一人じゃないよ」という励ましなのである。

しかも、この取り組みをハイネケンの競合他社であるギネスなども追随して、皆で盛り上げようとしたムーブメントになったのも素敵。いいと思えば真似するギネスもイケてるし、それを許すハイネケンもイケてる。

画像1

画像2

展開概要はこちらの動画でわかります。

どうです?単に「休業しろ」とか命令されるよりよっぽど心が動かされるのではないでしょうか。ツイートに対してもほぼ100%共感の嵐で、いつも炎上する僕からしたらこんなにポジな反応ばかりなのも珍しいですw

それくらいこのアイデアは人の心を動かすということでしょう。

日本では飲食店に「協力金払うんだから休業しろ」的な上から目線の言い方をしてるけど、そうじゃない。飲食店は金がほしくて文句を言ってるのではない。店を開けたいのだ。仕事をすることこそが彼らにとっての「利」なんです。

政治家がまったく理解できないそういう商人の心の機微をなかハイネケンはよくわかってる。そして、何より、ハイネケンは道徳的な思いでやっているわけじゃない。彼らは彼らなりの自分たちの利を得るという目的でやっている。自分たちの商売の範囲でできることを知恵を使ってやっている。そこにはよくある偽善的なものがない清々しさがあるし、だから共感を得るのです。

「利己はダメで利他が良い」とかことさら言う人なんてのは間違いなく詐欺師です。利己を追い求めて行動すれば、それが結果として他者の利益につながる。商売も社会もそうやって成り立っている。もちろん、自分の利益だけを最大化しようと思って一人占めしてもそれが続かないことくらいみんな知っている。自己の利益を最大化するためには、その行動が少なくとも誰かの利になっていないと自分にはかえってこない。まさに「情けは人のためならず」です。

ところが、政府はこんなことまで言い出した。

経済再生大臣どころか経済破壊大臣だし、社会破壊大臣です。

仕事とはどんな仕事であれ、やれば、結果的に誰かの得や救いになっているもの。とりたてて誰かのためになんて動かなくてもそういうふうに循環するようできている。要するに、仕事を止めることは社会全体、人間そのものを殺すに等しいこと。それがわからないなら本当に政治家やめたほうがいい。

この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?
気軽にクリエイターの支援と、記事のオススメができます!
荒川和久/「結婚滅亡」著者

長年の会社勤めを辞めて、文筆家として独立しました。これからは、皆さまの支援が直接生活費になります。なにとぞサポートいただけると大変助かります。よろしくお願いします。

相変わらず誤字脱字多いですが許してください
11/13に新刊「結婚滅亡」が発売です!他著書「ソロエコノミーの襲来」 「超ソロ社会」「結婚しない男たち」等。東洋経済等でコラム執筆したり、テレビ・新聞によく出ます。独身研究家として活動させていただいてます。メディア出演・執筆・対談・講演のご依頼はFacebookメッセージから。