複業(副業)を解禁して退職率が下がった?! #良い会社の条件 とは?
日経COMEMOのKOLをしております、大林です。50,000名以上が実名顔写真付きで登録する複業マッチングプラットフォーム「複業クラウド」を運営する株式会社Another worksの代表をしております。
「企業のあり方」が大きく変わっている
近年、新型コロナウイルスの影響もあり、従来のオフラインが基本の社会から、オンラインという選択肢を含むハイブリットな社会へ変容し、我々の生活やキャリアに関する周辺環境はここ数年で180度変わってきています。
働き方においても、一人が一社で勤め上げる前提でのメンバーシップ型雇用から職務(ジョブ)にマッチしたスキルや経験を有する人材を採用するジョブ型雇用に移行されはじめ、日本の雇用システムの前提すら変化を余儀なくされています。
一方で企業は、大々的に離職対策を打ち出し、人材流出を防ぐべく施策を打ちはじめています。記事によれば、2023年度から十六フィナンシャルグループ(FG)では、35歳で部長になることも可能な新人事制度を導入するとのこと。人事制度の全面的な見直しの背景には、若手や中堅の離職が増えていることがあるといいます。
また、企業のベースアップも大きな話題を呼び、ファーストリテイリングの国内従業員の年収を最大約40%引き上げるという記事が注目を集めました。
「複業」が選ばれる企業の1つの指標に
各社が施策を打ち出す中、「複業」の解禁有無も企業を選ぶ際の判断基準の1つであるといえるでしょう。
株式会社リクルートが運営する就職みらい研究所の調査「就職白書2022」によれば、2022年卒学生の約3割が入社後に起業・副業・兼業を「したい」「続けたい」と回答したといい、新卒で入社する企業を選ぶ1つの指標になりつつあるといえます。
複業(副業)を解禁して退職率が下がる?!
企業の目線に立つと、複業解禁によって従業員が複業先に転職してしまうのではないか、そんな懸念があることでしょう。
しかし、私は複業解禁こそが転職を防ぐための手段だと考えます。DeNAでは、自社メディアの中でこんな話を紹介しています。
このように、正社員で勤務することでしか叶わないことがある一方で、一念発起して転職するよりも複業からはじめることが有効的なケースもあります。複業という新しい選択肢が増えたことで、個人が選択するキャリアの幅が拡大しているのです。
新型コロナウイルスの流行により、皮肉にも時間に縛られない自己実現が可能となり、本来やりたかったことに挑戦しやすい世の中になりつつあります。
そして可処分時間が増えたことにより、自分の思考に当てられる時間が多くなりました。今の自分の仕事は本当に自分に合っているのか?本当にやりたいことはこれなのか?という自分の将来や会社に対する危機意識をもつ人は多くいることでしょう。
そんな時代背景の中で「これが自分がやりたいことだ!」と思ったときに、転職の選択肢しかないことは会社にとってのリスクです。だからこそ企業は複業を解禁し、社員が自分のやりたいことをまずは複業で実現できる環境を整えるべきです。退職や転職といった大きな環境変化を伴わずにチャレンジできる複業。それができる環境が求められているのです。
#良い会社の条件
一方で、複業を解禁していることが、必ずしも #良い会社の条件 とは言い難いのも事実です。もちろん、セキュリティや関係各社の問題等で複業解禁が進まない企業もあるでしょう。また、複業を解禁していても、複業希望者がほとんどいない、複業をしたくてもできない、そんな状態では解禁した意味がないのです。社内で複業が促進されない理由は様々ですが、複業がしにくい雰囲気が知らず知らずのうちにできていたり、制度設計が十分でなかったりすることが挙げられます。
いまや複業を解禁するしないの議論は終焉に近づき、複業をどう解禁し、自社へ還元してもらうかが重要な時代となりました。
より個人が自由に働き方を選択できる会社を目指したり、社員が外で学び直すことでスキルアップを促進したりと、複業を解禁することで社として何を狙い、社員へ何を求めるのか、経営メッセージの発信が欠かせません。
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