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リモートワークという概念がない、グローバル企業での働き方とは

こんにちは、電脳コラムニストの村上です。

新型肺炎の国内での感染拡大をうけて、急速に注目を集めつつある「リモートワーク(テレワーク)」。近年では働き方改革や副業解禁などの流れもあり、より柔軟な働き方を求める声も高まっていました。

新型ウイルスやそれによる肺炎の拡大の抑制策として着目されているのが、会社に出勤せずに働くテレワークだ。在宅勤務が代表的で、通勤の混雑を避けるサテライトオフィス勤務などもある。

テレワークは自然災害や交通機関の事故の際にも企業活動を停滞させない手段になる。仕事と育児や介護の両立もさせやすくなる。

筆者の前職のヤフーでは、いち早くリモートワーク可能な環境が整備されていました。「どこでもオフィス」(通称、どオフ)と呼ばれ、自宅のみならずその名の通り「どこからでも」仕事をすることができました(当時は月の回数上限あり)。山陰方面に出張があったときには、どうしても乗ってみたかった寝台列車(サンライズ出雲)で向かい、車窓を楽しみながら仕事をしたりしていました。

現在は米国に本社があるグローバル企業に勤務しているため、あまりリモートかどうかを意識することもなく、毎日リモートワークしています。

ちょっと日本語がおかしいですが、要するにこういうことです。本社こそ米国カリフォルニア州にありますが、世界中に30以上の拠点があります。組織は本社から職種→エリアと分かれているため(営業:本社ーアジア・パシフィックー東京など)、東京オフィスの同僚であっても職種が違えばレポートラインが全く異なるということが起こります。実際、私の上司はアメリカとシンガポールにいますし、右にいる同僚の上司はシドニー、左にいる同僚の上司は香港といった具合です。

日々の仕事では、メールとチャットとテレビ会議を使い分けています。また、資料は基本的にクラウド(Office365やGoogleApps)上で作成し、誰もが途中から参加できるようにしておきます。言語も共通語である英語が多いですが、明らかに日本だけの話は日本語でやることも多いです。逆に、少しでも日本以外の人が(後々でも)関わりそうだと感じたら、日本オフィスの日本語話者同士であっても英語にしておきます(ややこしい書き方に思えますが、日本オフィスであっても英語が母国語ないしは話しやすい人もいるためです。また国籍も多様なので、一緒くたに日本人というのもちょっと違う)。そうしておけば、あとからスレッドに入った人がこれまでの流れを追いやすいからです。

このように、日常業務自体がリモート前提かつ場所(タイムゾーン)や言語も多様です。そういう意味では、毎日オフィスにいってリモートワークしているという謎な状況かもしれません。

では、家から仕事することはないかというと、もちろん頻繁にあります。仕事環境はリモート前提なのでインターネット回線があれば、どこでもできます。社員間ではWork From Homeと呼ぶことが多く、会話の中でも「あー、明日はWFHだから」みたいに出てきます。また、会議中にスマートフォンに切り替えて、移動しながら参加しつづけるといったことも日常的です。特にお子さんのいる社員は、夫婦間で送り迎えを当番制にしている人も多く、現地時間の16時くらいになると会議中に「そろそろ出なきゃ」といって切り替えて出ていきます。しばらくすると自宅の部屋からまた参加しなおすということもあります。その後いきなりお子さんが「ハーイ!」といって挨拶しにきたり、猫がキーボードの上に乗ってきたりするのが見えたり、これはこれでほんわかしたムードになりますね。

先週は新型肺炎の影響でシンガポールオフィスは原則自宅勤務だったのですが、とてもおもしろいことがありました。うちの会社では月に一度、社員の親睦と会社のカルチャーを醸成するために、業務の一環として仕事以外の取り組みをする日があります。自分たちのために投資(Invest)する時間ということで「InDay」と呼んでいます。世界共通で月ごとにテーマがあり、それに沿って各オフィスで様々な活動が行われます。

2月のテーマは「culture」で、東京ではみんなで似顔絵を書きあうというイベントをしました。そういえばシンガポールは全員在宅勤務でどうしたのだろうと思っていたら、なんとリモートで料理をしていました!全員が同時に作り始め、その間もテレビ会議は繋ぎっぱなし。工夫次第でカルチャーイベントもできちゃうのかーと感心しました。

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※ プライバシーに配慮し、一部画像を修正しています。

一方で、対面で会う機会というのもしっかり確保されています。全世界のチームが年に一度は大集合しますし、小さい単位では四半期に一度はオフサイト(合宿)で親睦を深めます。普段一緒に仕事をしていても、会うのは年一回という人も結構います。そうなると会ったときは、お互いにテンション爆上げ!夜遅くまで飲みニケーションが続くというのは、日本に限った話でもありませんね。

総務省の調査では、リモートワークの導入企業は2018年でまだ19%あまり。まだまだ馴染みが少ない新しい働き方ですが、今後さらに積極的に活用していきたいものです。

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タイトル画像提供:KazuA / PIXTA(ピクスタ)

#COMEMO #NIKKEI

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