小米(シャオミ)、今年最大のIPOへ

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO32160730T20C18A6MM0000/

中国スマートフォン(スマホ)大手の小米(シャオミ)は23日、7月9日に香港取引所へ株式を上場すると発表した。公募価格は1株あたり17~22香港ドルで21億8千万株を売り出す。調達額は最大で約480億香港ドル(61億米ドル、6700億円)を見込む。2018年の新規株式公開(IPO)で現時点では世界最大となる。

時価総額は6兆7千億円程度になると予想されている。6700億円という調達額もケタ違いだ。

シャオミは日本では販売されていないため認知が低いが、中国やインドでは大変人気のあるスマートフォンメーカーである。世界シェアでも7%と、ファーウェイに次ぐ4位に位置している。また、創業者でありCEOの雷軍氏自身もカリスマ的な人気を誇り、定期的に開催される製品発表会やファンイベントでは会場は集まった人々の熱気に包まれる。

雷軍氏はアップル社のスティーブ・ジョブズ氏に憧れ、自身も創業。シンプルで高機能を売りにしたスマートフォン「mi」シリーズが大ヒットする。製品発表会での服装やプレゼンもジョブズ氏を彷彿させるスタイルで、若者から絶大な人気を誇る。そのことから、しばしば「中国のアップル」と呼ばれることもある。

また、自身でもネットを使いこなし、中国版Twitter(微博)でユーザーと直接コミュニケーションすることもある。使いにくい、バグがあるといった内容に対して修正することを返信したりするアクティブな様子も、ネット世代の支持を得ている理由なのであろう。

経営手法も米国式かというと、先進国のどの企業にも似ていない独特なものだ。カリスマCEOが株式の過半を握り経営権を確保し、凄まじいスピードで事業領域を拡大していく。国民の購買力は爆発的に拡大するが、その消費行動もどんどん変化していく。その市場を捉え続けるには、圧倒的な意思決定スピードと大胆な投資で競合を引き離していくしかない。今回のIPOでの調達も、そのほとんどは次のサービスのために使い切る勢いであろう。

ダイナミックに変化するシャオミの今後には、ますます目が離せない。

※ シャオミの製品ラインナップ。スマートフォンやPC、TVや掃除機、空気清浄機といった家電製品まで幅広く揃えている。

https://www.mi.com/index.html

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?