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日本人が行っているのは、「転職」ではなく、「転社」では?

転職に関する記事が多い

 近年、転職に関する記事が多い。今回も、私の目に「35歳からの『力試し転職活動』が命取りになる理由」という、NIKKEI STYLEの記事が目に留まった。この内容は、若者の転職に関して、客観的に考えようとアドバイスをしている。私も、その点に意義は何もない。若者の転職の理由の多くに、今の会社に対する不満があり、それが転職で解消されるかは、大いに疑問だし、そのような事例も見たことがあるからである。

 もちろん、今はどの業界も人不足が起きており、ゆえにビジネス・パーソンは、より良い条件の会社に入ることは、当然起きることである。そのために、転職業界は非常にホットで、このように転職に関する記事が多くなる。

英語では「転職」には2種類の表現がある

 私も3年ほど前に、シニアにして初の転職を行った。その時に転職について大いに考えた。というのも、一つの会社の20年以上在籍したものの転職活動にはさまざまな壁があり、私自身転職活動に、約1年を要したからである。その時に、私の転職とは「職」を変えることなのか、活躍の場である「会社」を変えることなのか、悩んだ。

 英語では、転職という表現には、大まかに2種類ある。ひとつは、career change。もう一つは、working for a new companyである。つまり、英語において、「仕事を変える」ことと「会社を変えること」で表現が異なるのである。ところが、日本ではどちらも転職という表現を使う。

 そして、周りを観察していると、多くの転職者は「会社を変える」人が多いと思う。私は、このこの場合の言葉を、「転社」と表現するほうが良いのではと思う。「転職」でも「転社」でも大きな苦労があると思うが、よりハードルの高いのは、仕事の内容を変える「転職」だと考えるからである。

人生100年時代、楽しむなら「転社」ではなく「転職」では

 さて、ここで私も日々考える人生について話したい。日本は、非常に医療制度なども充実し、人生100年時代という言葉も良く聞かれるようになった。人生100年職は変えるもの 学び直しで三毛作という記事もあるように、人生長くなったのであれば、もっと人生の楽しみ方を考えたほうが良い。

 人生100年職は変えるもの 学び直しで三毛作の記事にもあるように、常に学び、「転社」ではなく「転職」を積極的に考えるのは、どうだろうか。知的好奇心と、学びを生かせた満足は、何より人間を若く維持する薬だとも思う。

 ぜひ、この機会に、「転職」と「転社」を分けて考えることで、もっとカラフルな人生設計ができれば良いのではないだろうか。

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本間 充 マーケティングサイエンスラボ所長/アビームコンサルティング顧問
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