成長後の姿まで描くのが成長戦略ではないでしょうか(2019.06.06)
おはようございます。先日ご紹介したワークショップで仕込んだ塩麹がいい感じに醸されています。麹菌は言うなれば蒸したお米に生えるカビですが、日本にしかいない「国菌」なのです。デンプンもタンパク質も分解でき、複雑な味わいを生み出すハイスペック菌だそう。塩麹の成長が楽しみです。
成長といえば、きょうの日経朝刊1面アタマは国の成長戦略についてです。見出しは地銀再編となっていますが、どう成長につながるのでしょうか。Morning Briefingでポイントをおさらいします。
Morning Briefingとは
その日の朝、読んでほしいニュースの要点を簡単に要約したもの
規制緩和だけで終わらないように
◆キーワード
独占禁止法の除外
◆ニュースはなに?
2019年度の成長戦略の実行計画案が示された。(1)労働市場の改革(2)地域インフラの再生(3)デジタル技術への対応――などを盛り込んだ。特に経営が厳しい地方銀行は10年間で集中的に再編を促す。
◆ここがポイント
6月はその年度の方針が決まる大事な時期です。今回示された成長戦略は、企業の活動を後押しする規制緩和策などをまとめたものです。もう一つが骨太の方針。正式名称は「経済財政運営と改革の基本方針」ですが、その名の通り国の予算にかかわる政策の方向性を明記しています。
今年度の成長戦略は、地方銀行の再編に関する規制緩和が一つの柱になっています。地域内でシェアが高まる統合は独占禁止法に触れる恐れがあったため、今までは困難でした。ふくおかFGと十八銀行の統合に3年かかったのも、寡占を懸念した公正取引委員会が待ったをかけていたからでした。そこで今回、地銀の統合に限っては独占禁止法を10年間は適用しないことにしました。
政府は地銀について住民の生活に支障が出るため「早期に業務改善する必要がある」との認識です。地銀再編は救済の側面が目立ちますが、成長戦略の趣旨に立ち返れば人材の移動を促し、産業の入れ替えにつなげていく必要があります。地銀の成長戦略は現状維持にとどまり、ゴールまで踏み込めなかった印象が強く残ってしまいました。
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