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働きがいとDream Job

こんにちは、電脳コラムニストの村上です。

もうすぐ2022年も終わろうとしています。これを読んでいる方の中にも、仕事納めをしたという方も多いのではないでしょうか。

今年の働き方に関するトレンドを振り返ってみると、人的資本経営やリスキリングにまつわるトピックが多数ありました。特にリスキリングについては政府の重点領域として言及されたこともあり、様々な企業が社員のリスキリング、特にDXやAIといった先端技術の習得のための投資をするといったニュースが目立ちました。

2020年から始まったコロナ禍において、日本以外では「大退職時代」とも言われる現象が起き、雇用流動性の高い米国では自発的離職者数が過去最高を記録しました。転職を希望する人が新しい職場に求めるものは「働き方の柔軟性」が56%と(米バンクレート調査)なっています。

雇用流動性の低い日本では「大退職」と言えるほどのブームは起こっていませんが、ここ数年で転職希望者数は上昇傾向が続いており、その際に重視することを聞くと安定よりも柔軟な働き方を求めているという調査もあります。

もともと日本は労働市場の流動性が低く、働き手は安定志向が強い。特に不況期には不満があっても生活防衛のため今ある仕事に踏みとどまろうとする人が多かった。だが英人材大手ヘイズが20年8~9月、日本の働き手に転職の際に重視することを聞くと「柔軟な働き方」(76%)を挙げた人が最も多く、「雇用の安定と安心」(60%)などを上回った。20年1~2月の調査で最も高かったのは「給与や福利厚生」(77%)。テレワークの定着で多くの人が働く意味を見直し、長時間通勤や硬直的な労働時間管理への不満を強めたと見ることもできる。

日経電子版

上記は「働きやすさ」を求める話ですが、より「やりがい」を求める傾向も出てきているようです。

「職場がホワイトすぎて辞めたい」と仕事の「ゆるさ」に失望し、離職する若手社会人が増えている。長時間労働やハラスメントへの対策を講じる企業が増えたほか、新型コロナウイルス禍で若手に課される仕事の負荷が低下。転職も視野に入れる彼らには成長の機会が奪われていると感じられ、貴重な人材に「配慮」してきた企業との間で食い違いが起きている。

日経電子版

わたしは常々、「働きがい = 働きやすさ x やりがい」であると言っています。どれにどれくらい重み付けをするのかは個々人によって異なりますし、ライフステージによっても変化していくものです。しかし、終身雇用が終わり誰もが1回は転職を経験する世の中になっていくのだとすれば、自分にとって「働きがい」とはなにか?というのは、常に自身に問いかけるべきものなのではないでしょうか。

採用面接でよく問われる質問として、「あなたの理想の仕事はなんですか?」(What is your dream job?)というものがあります。日本だと「あなたにとって仕事とはなんですか?」というパターンのほうが一般的かもしれません。わたしがこの質問をされたのは、初めて海外企業に転職する際の最終面接でした。後で調べたら割と鉄板の質問だったようでしたが、当時はそんなことも知らずにかなり面食らった記憶があります。しどろもどろになりながらもそれなりに回答をしたのですが、終わってからも「あれはどう答えるべきだったのか?そもそもDream Jobってなんだ??」と、長い間考え続けていました。

面接対策としてのテンプレ回答ではなく、真の意味でこの質問に対する回答は未だにありません。考えを進めていくと結局「自分の天命とは?」という深いところまで行ってしまうからです。不惑を過ぎても落ち着くことはなく、年末年始にまた悶々と考えてみようと思います。


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タイトル画像提供:Frog / PIXTA(ピクスタ)

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