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トップ大学を卒業したエリート中国人たちの進路。彼らはいったいどこにいるの?

最近中国の大学とお仕事することもあります。中国の大学生たちがどんな生活してるのか、どのくらいガリ勉でキャリアをどう考えているのか、何に興味あってどんなとき課金するのか、などを調査してました。

そこで面白い内容を見つけたのでシェアします。良い大学を出た優秀な中国人たちの居場所についての分析レポートです。

■中国トップ大学の就業率分析

レポートはDT財経さんのまとめです。

各州(市町村)の約40のトップ大学の卒業生の就職率の報告を分析。トップ大学のうち合計14は、北京(8)、上海(4)、広州(2)の3大都市です。

那些名校学霸毕业后都去了哪儿?_毕业生_人才_就业率_新浪网

結果、この3都市の13の一流大学のその都市への平均就業率が56.5%だったと示しています。 さらに定着率を都市別に見ると、46.3%が北京に滞在することを選択し、69%の学生が上海に滞在し、78.5%の学生が広東省に滞在しています。 卒業生の全体的な定着率は、南部で高く、北部で低くなる傾向を示しています。

北京は首都だけあって良い大学も多く、全国からやってくることも影響してそうですが、定着率はそれにしても低い。2トップの北京大学、清華大学の卒業生はその後の北京定着率がわずか39.5%と41.2%。

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さらに二线都市も14の省と市から20の大学が調査されました。(中国ではビック都市に続く街のことを二线都市と言います、成都や天津や重慶などですね)

これを見るとこちらもだいたい半分以上が卒業後には大学生活を送った場所を離れていることがわかります。無理やりざっくり分類すると中国の中で南と東は継続してその場所に就職する率が高く、北と西は低い。

そして特に広東省への就職率が高い。全国から才能を積極的に募集していてこれらのトップ人材の卒業生の就職先には、Huawei、Tencent、Netease、ZTEなどの広東企業が多いです。例えば北京大学の卒業生の21.94%が広東省に、17.95%が深センに行ったとデータが示しています。

■トップ人材の主な就職企業

これはトップレベルの高校を卒業した人たちの就職先企業。広東の企業が多いことがわかります↓

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特に深センはキャリアの機会と人材政策の両面で目下最強の都市だと言われますね。香港があんなことになってるからますます人材が豊富になりそう。

 実は北京や上海、広州に比べ、深センは比較的高質な大学資源が乏しいビッグ都市です。人材供給不足の問題を解決するため、深セン政府は数年前からトップクラスの大学の深センキャンパスの建設を力に入れてます。清華大学や北京大学、ハルビン工業大学などトップクラスの中国大学が次々と立派な深センキャンパスを作りました。また優秀な人材を招くため、深セン政府や大手企業も深セン戸籍や移住支援金など様々な優遇政策を出しました。

対して、北京はすべてで最強の資源を持ってます。教育レベルの高さ、中国のトップ500企業の数、ユニコーン企業の数でも中国でダントツです。

特に教育。北京には中国で最高の教育資源があります。今年6月に教育省が発表した国内の総合大学のリストで北京は現在92の大学を保有しており、当然国内で1位。一方の深センには一般的な高等教育機関が6つしかありません。

また、もちろん収入も大きな要素です。今回の調査で最も雇用率に差があったのはハルビンと広州ですが、例えばハルビン工業大学はハルビンと黒竜江省に優れたエンジニアリングエリートを提供できるにも関わらず「ハルビンで技術的な仕事を見つけるための選択肢は限られている」と。その点広東には多くのIT企業があります。

しかも2018年の調査では、ハルビンの平均初任給提示は6613元、瀋陽では6475元。これは競合と比較して競争力が弱い。

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↑あくまで平均なのでなんとも言えませんが。最も高いのは北京、それなのに違う場所に就職する人が多い理由は、なかなか戸籍がもらえないことや、家がめちゃくちゃ高くて買えそうもないことも影響してそう。

中国の場合、戸籍の有り無しで、不動産の売買資格や子供の入学、センター試験の合格点数(省ごと異なる)など深くかかわります。報道によると裏操作での北京戸籍獲得はすでに72万元(約1100万円)くらいとのこと。戸籍の話はまた別機会に書きましょう。

いかがですか、広東の強さにビックリですね。ただいつも書いてますが、中国は広すぎて人が多すぎるので平均は参考程度にしかなりません。起業する人もたくさんいるし、家が金持ち過ぎて就職しない人もいます。そして明らかに、中国の大卒が大学院へ進学したい希望は日本より全然多いです。政府の役員や大手企業の幹部などにも修士号や博士号を持つ人が普通にいます。先週終わったばかりの修士課程入学センター試験は歴代最多の341万人参加でした。それ以外にも推薦入試枠で大学院に行く学生が結構います。

そしてとにかく北京はいいところなので、日本のみなさんも永久就職しちゃいます!?

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(参考資料)


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中国情報局@北京オフィス
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