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ツンデレが争いから世界を救う

あけましておめでとうございます。お正月のツイッターでは #第3次世界大戦 #WW3 がトレンドワードになっていました。アメリカがイラン司令官を殺害したニュースに驚いた方も多いのではないでしょうか。

中東情勢に不穏な空気が漂うなか、争いを未然に回避する方法に注目が集まっています。解を探すのは人ではなく、人が構築したプログラミングです。

囚人のジレンマという有名なゲーム理論があります。

罪に問われた2人が「自白」か「黙秘」かで刑の重さが変わる。
(1)2人とも黙秘 ==> 2人とも懲役2年
(2)相手は自白、自分は黙秘 ==> 相手は懲役1年、自分は15年
(3)2人とも自白 ==> 2人とも懲役10年

2人とも黙秘すればトータルの懲役は短くて済むのに、相手に裏切られることを恐れて自白を選ぶ心理が働く――。この駆け引きをプログラムで再現したのが、東京大学の金子邦彦教授です。

プログラムによるシミュレーションを続けていると、ある悲劇が起こりました。2人の囚人の力関係は変わらないのに、「搾取する側」と「搾取される側」に分かれてしまいました。利益の取り合いが発端となり、搾取の構図ができあがる。仕組みが分かったのは画期的なことだといいます。関係が崩壊する兆しが分かれば、手遅れになる前に対処できるからです。

搾取、争いが生まれる仕組みだけでなく、信頼のメカニズムも分析が進んでいます。愛情表現の「ツンデレ」をプログラムで再現する取り組みもその一つです。

ツンデレが世界を救う――。その理由は、きょうの記事「争いなき地球 方程式が導く 国も恋人も絆どう育む」を読んで探してみてください。

(日本経済新聞社デジタル編成ユニット 渡部加奈子

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先端技術から生まれた新サービスが既存の枠組みを壊すディスラプション(創造的破壊)。連載企画「Disruption 断絶の先に」は、従来の延長線上ではなく、不連続な変化が起きつつある現場を取材し、経済や社会、暮らしに及ぼす影響を探ります。