見出し画像

国会中継をバーションアップしよう

バイデン大統領はカメラ目線。岸田首相は..。

まずは、以下の2つの記事の、国のリーダーの写真を見比べてみましょう。

  いずれも、それぞれの国の議会で撮影された写真です。大きな違いがあることに気づきますよね。バイデン大統領は、カメラの向こうのアメリカ国民を意識したような視線の写真です。岸田首相は、国会議員に視線を向けているように感じる写真です。
 このことは、2人のリーダーの違いによるものというよりは、それぞれの議会の取材の方法の違いによるところが多いのでしょう。私の印象ですが、バイデン大統領は国民に向けて話している感じで、岸田首相は国民の代表の国会議員に向けて話している感じを受けます。このような印象が目ばせることは、ひょっとしたら日本の国会議員の方にとってもマイナスなのではないでしょうか?日本の国会議員も国民のために議論をしているのですが、それが伝わりにくい印象を与えているかもしれないからです。
 このような印象を与える最大のものが、テレビの国会の中継かもしれません。NHKの番組名も「国会中継」という名前ですが、私たちは「国会」という場所を見たいのではなくて、「国会」の中の、「国会議員」の「発言・議論」を詳細に知ったり、感じたりしたいのでしょう。しかし、皆さんもご存知のように、過去からの経緯もあり、なぜか、国会中継の多くカメラは、やや上部の記者席からの撮影であり、結果、発熱している議論も、私たちテレビの視聴者は、テレビのカメラと視線の合わない、すこし人ごとのようなカメラアングルで、討議を見ることになります。
 この中継に、工夫はできないのでしょうか。
 そこで最初に提案したい国会中継のバージョンアップは、カメラの位置です。2020年を過ぎて、今もカメラは大きな機材が必要でしょうか。今や多くの情報番組では、小さなカメラでジェットコースターのようなアトラクションも中継できる時代です。そのような小型のカメラを、国会に導入できないでしょうか。
 もう一度、アメリカ、日本の議会の写真を見てください。実はこの些細な変更は、私たちに与える印象には大きな差があることを感じて頂けると思います。そして、私たちは、実は国会論戦の発言をする議員の方の姿を、きちんと見たいのです。真剣な眼差しなのか、迷っている表情なのかも、重要な私たち国民への情報ではないでしょうか。
 少なくとも、私は小学校で、「相手を見て、発言しなさい」と教わったのですが。もちろん、国会議員の皆さんの相手に、私たち国民が含まれいないのであれば、この指摘は無意味になりますが。

なぜ、国会は日中開催?

 なぜ、このような疑問を感じ、noteに書いているのかのきっかけを紹介しましょう。それは、記事で紹介したアメリカの「一般教書演説」は、アメリカの東部時間の21時スタートと知ったことです。夜ですね。でも、確かに国民がテレビの前に座りやすい時間ですよね。このようなことは、なぜ日本で行えないのでしょうか。日本でも、国会が議事日程の関係で夕刻開かれることはありますが、最初から夕方に予定されていることはほとんどないのではないでしょうか?
 こちろん、日本の国会も、インターネットで配信されており、生中継でも、あとから確認することも、以前よりは行いやすくなりました。しかし、もっと国民の利便性を考えて、会議の開催時間を変更するということも検討しても良いのではないでしょうか?
 国会は、儀式で行われているのではなく、重要な議論、それも国民を巻き込んだ議論を行う、重要な場所ですよね。
 国会が最初に設計されたころは、テレビ中継もなく、「傍聴」という手段が、情報公開の主たる方法だったのでしょう。今は、テレビ中継がおこなえるのです。だったら、よりそのテレビ中継のもてる価値を最大化する努力を行っても良いのではないでしょうか。
 国会の開催時間の変更も、バージョンアップ対象の項目だと思います。

国会のテレビ中継とインターネット配信は意味が違う

 今回最後に論点にしたいのは、国会中継のテレビ局による番組放送と、国会が行うインターネット配信の再定義です。
 

 上記のように、衆議院も参議院もインターネットでの審議中継を行っています。この中継は、私たちの知る権利や、参政権のために行われている公共サービスです。
 一方、テレビ局による国会中継は、このインターネットの審議中継と別な価値を作らないといけないでしょう。スポーツ中継を例に取れば、関連するデータの提示や、過去の活動の記録などを、テレビ中継で付加することは、特に政治的な中立性を損なうものではないでしょう。
 例えば、予算審議を行っている時に、その予算に関するデータをテレビ中継に加える。または、ある議員が発言を行っている時に、国会の議事録から、その議員の過去の発言を、テロップなどで表示することは、デジタル時代の今、簡単に行えるはずなのです。
 今までの国会中継は、インターネットでの審議中継がなかった時代の、番組になっています。デジタル時代になり、国会中継をバージョンアップすることも、今の時代には必要なのではないでしょうか?

もっと、国会中継のバージョン・アイディアを考えよう

 そもそも、国会とは私たちの税金が使われている会議であり、そして私たちの税金の使われ方や、その基本になる国家のあり方を考える場所です。もっと、国民が国会を身近に感じる方法や、議員の熱意が伝わる方法を、国会運営や国会中継の方法に取り入れても良いのではないでしょうか?
 耳の痛い話ですが、電車の中で、インターネットの動画を見ている方は沢山見ますが、国会中継のインターネット配信を見ている方に出会ったことは、今までありません。この現象は、国民の問題でもありますが、国会運営の問題や、国会中継の問題でもあるのです。

もし良ければ、サポートをお願いします。今後の執筆のための、調査費用などに、有効に活用して、記事としてお戻しします。