小さな行動から始まる
今年の初めから犬(シェパード)を飼い始めた。実は、最近始まったテレビ「ルパンの娘」に登場するシェパードの兄弟で、見た目もとても似ている。名前は「アビー」である。
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今朝、愛犬と清流が流れる公園の周りを散歩していると、見知らぬ、おばあちゃんがいた。「おはようございます」と挨拶すると、「かわいいねえ」と愛犬をかわいがってくれる。おばあちゃんは、背は低く、腰もすこし曲がっているが、笑顔がこちらへの親しみの気持ちを伝えてくる。聞くと83才だという。
犬の話から始まり、割と近くに息子夫婦が住んでいて、息子は一緒に住むことを勧めてくるという。でも、息子夫婦には子どもがいないので、お嫁さんとうまくやっていける気がしないので、ひとりで暮らしているという。息子が時々来てくれるから、そちらの方がよいと思っているという。いつの間にか身の上話になっている。でも決して表情も言葉も暗くはないのがいい。
話をしている内に、10分も経っている。でも、楽しい。おばあちゃんの一日を、すこしだけ楽しくできたかもしれないのがうれしい。そして、私の一日も楽しいスタートが切れた。
これまでの50年を超える人生で、道ばたで見知らぬ高齢者と10分も立ち話をするなどという経験はなかった。そんな能力が私に備わっていることなど思いもよらなかった。
実は、足りなかったのは能力ではなく「きっかけ」だったのだ。変えたのは、犬によるアイスブレークというきっかけだった。
まだまだこの世の中はちょっとしたことで変わる。日々の生活にちょっとした行動と小さな勝利が加わることで。こんなちょっとしたことが社会のいろいろなことで起きたら、社会の雰囲気は随分変わるのではないか。そんな想像が拡がった日だった。