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「こんなこと考えたんだけど、どうかな。」 ~ 一言切り抜きfrom日経#235

きっかけは、小学校1年生の将来の夢文集だった。

同級生に現物を写メで送ってもらった。これ。

「はつめいか」になりたいと書いた。

そもそもは、クラスメートがみんな
男子は、プロ野球選手かパイロット
女子は、保母さんかお花屋さんかケーキ屋さん
って書いてたから、
違うこと書いて目立ってやれ、
ということが動機だった。

目立つということであれば、
ウルトラマンになるでも、仙人になるでも、大統領になるでも
構わなかったはずだけど
「はつめいか」というチョイスは
あながち嘘ではなく、
意識的にも無意識的にも、本心だったように思う。

ちょっとしたことで特許とって大儲けみたいな
主婦の発明の話を雑誌やテレビで見ては血が騒いでいたし、
父が理系だったということも影響しているだろう。

結果、この作文は、まんまと目立ち、
良い!ということになり
先生に褒められ、親にも褒められ、
おじいちゃんの家に行ったらすでにコピーが出回っていて
壁に貼ってあった。

差別化、という
ある意味、人生初のマーケティング体験と考えれば、
この時から、広告的な思考はあったのかもしれないが、

それよりも、
面白いこと、誰も考えてないことを
思いついて、やる
そして何かしらの効果が生まれる
というロマンに
一生を捧げるというのは
その時に始まった。

アイデアで生活を良くするんだ、という屁理屈もつき、
理系へと進み、
工学部へと進み、
難しい式をなぜ理解しなくっちゃいけないんだっけ?
というふとした疑問から、
デザインやコピーライターの道も、
アイデアでやるんだったら同じじゃないかと気づき、
そっちの方角を発見し、
広告の道へと入る。

広告業界は、僕にとっては
アートスクール&デザインスクール&ビジネススクール、
かつ、給料をもらいながら、
という恵まれた場所で、
スキルを満載勉強させてもらい、

そこで得た資金と経験で、
プロダクトを作るようになる。

それがまたきっかけとなり、
デザイン、インテリア業界の人たちとたくさん出会い、
バルセロナのプロダクトデザイナーMarti Guixeのスタジオに働きに行けることになり、
日本に帰ってきたら、

「これ、誰に頼んだらいいの?」という仕事が
僕のところに次第に最終的に回ってくるようになる。

広告 x プロダクト/インテリア の両方を触ったことがある人は
ほとんどいないから。

来る仕事は、
広告のように「コト」だけでもなく、
プロダクトや空間のように「モノ」だけでもなく、
そのどっちでもある「プロジェクト」だった。

こうなったら、
広告でも広告でなくても
イベントでもイベントでなくても
形があっても形がなくても
短期でも長期でも
クライアントがあっても自主的でも
その両方でも大丈夫になった。

モノでもコトでもなんでも良い、
ある意味、発明。
もっとふんわり、いろんなことがあり得るから
子供の時になりたいとひらがなで書いた
「はつめいか」が、ぴったり言い当てているかもしれない。

絵描きには絵筆が必要であるが
僕にとっての絵筆は「プロジェクト」で形はない。
キャンパスは見る人の心の中、
または頭の中の場合もある。

心の中に投げかける場合は、
あったかいものが広がるといいなとイメージしている。
頭の中に投げかけるときは、
種や苗から、樹がブワーッと広がるイメージ、
あわよくば
誰かのインスピレーションになるといいなと思っている。

一方、世の中に石を投げているつもりもある。
一市民として。変えるために。改善するために。
プロジェクトを通じて一石を投じる。
同士たちみんなでやってるから、
百人で百石投げていることもある。
石、ではあるが、
ピンクのペンキが詰まった、
明るい色の爆弾のつもりでもある。

今年、秋ぐらいにふと思った。

おそらく一生、
こうやってプロジェクトを起こし続けて死んでいくんだろうな、
と。

そして、発見したこととしては、
プロジェクトって4つの形があるということだった。

依頼されて手伝う形。これが1つ目のタイプ。

いいプロジェクトだな、
この人がされているならお手伝いさせてもらおう、
それは僕がお手伝いすべきことだな、
と思って始まるプロジェクト。

今の進行形のもので言うとこれとかこれはそれに当たる。


2つ目のタイプは、
自主プロジェクト、自社プロジェクト。
思いついちゃったから自分でやろう、というもの。

例えば、これとかこれとか

電通時代に始めたこれとこれも、このパターンに当たる。

このタイプは来年いくつか増えるので、
それはまたとっても楽しみ。
春に種を蒔く、そんな感覚。


3つ目は、自主提案。
自分でやるというより、あの組織がやった方が良い。
ということを自主的に提案してコラボするもの。

これもこれは、最初は自主プレゼンから始まった。

今年もいくつか増えた。
来年発表できるのが楽しみ。
二つの力が合わさってしかできないものだから、
御神輿を担いで新しい祭りをする。そんな感覚だろうか。



そして4つ目は、
友達がなんか面白いことやろうとしてるから
プロジェクト屋さんとしてただ、お手伝いしようというもの。
今年はこれがあって、

来年も増える予定。
仕事でプロジェクトをやった経験を、
友人とのプロジェクトに還元するのは、
同窓会的で、これまた楽しい。
一緒に、タネに水を撒く。
どんな実がなるのか、楽しみだね。
って話してはいないけど、イメージはそんな感じ。


(ちなみに、この「一言切り抜きfrom日経」は
 タイプ1と2のハイブリッドかな?)


2021年11月8日の日経朝刊に、まさにこんな
プロジェクト屋さんの僕の気分を表す一言が載っていた。

ポッカサッポロフード&ビバレッジ社長征矢真一さんの
交遊抄より一言切り抜き。

(全文はこちら)


こんなこと考えたけど、どうかな?

そんな風に
仲間に話しつつ、
依頼していただいたチームに話しつつ、
友人に話しつつ、

そして世の中に「こんなこと考えたけど、どうかな?」と
投げかけていくのがプロジェクト。

世界を面白くするために?
自分たちの住む世の中をより良くするために?
誰かを助けるために?
面白おかしい人生のために?

来年は何個、投げかけられるかな?
ぜひご一緒に。

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