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恋愛したい相手と結婚するのか。結婚したい相手と恋愛するのか。

こんな話を聞いた。

婚活サービスに登録していた30代の女性。
結婚相手に求める条件がとにかく多かった。

あれは嫌だ。
これが良い。

そんな多岐にわたるチェックポイントのおかげで、紹介できる相手が中々見つからない。

仲介者は、それでも辛抱強く探し続けた。

数年後、ようやく全てのチェックポイントをクリアする男性を見つけて、女性に紹介した。

「こんなに全て当てはまる人いませんよ!」

そんな奇跡みたいなパートナー候補とデートをした女性だったが、結論として結婚には至らなかった。

と言うか、初回デートだけで終わった。

断ったのは女性の方。

理由は多岐にわたるチェックポイントには存在しない項目だった

この状況はなぜ起こってしまったのか。例によってパワポで考えてみた。

今日はそんな話。

◾️なにがinで、なにがoutか

先程のエピソードを聞いて、コンサルの仕事で使っているフレームワークを思い出した。

こんなフレームだ。

非常にシンプルなフレーム。

inは興味のきっかけで、outは最終的なゴール。インとアウトの間にはハードルがあり、これを越えられるとゴールに辿り着く。

このフレームは、inとoutが分けられていない盲目的な企業や状況に対して使う。

例えばこんな感じ。

マッサージチェアの販売店が「とにかく買ってもらうこと」ばかり考えている。

そんな状況に対して、

「買わせたいのはわかりますが、このフレームを使って興味の入口から考えてみませんか?」と投げかける。

このフレームを使うことで、

・目的から一歩引いて
・興味のきっかけを考え
・ハードルを冷静に観察する

ことができる。例えばこんな感じ。

もちろんinはこれだけではない。

ただoutに辿り着くには、inの設定が必要になる。
outだけを考えていてもうまくいかない。

そんなシンプルな定理を教えてくれるフレームを、結婚に当てはめて考えてみる。

◾️恋愛相手<結婚相手は、本当か

先ほどのフレームには、1つの法則がある。

inは興味のきっかけなので、outよりもハードルの低いことを設定する。

という法則だ。

これで結婚について考えてみる。

いわゆる恋愛結婚をフレームに当てはめるとこうなる。

恋愛を経て、結婚に至る。

これまで一般的とされていたフレームだ。そこには「恋愛する方が結婚するよりもハードルが低い」という固定観念があった。

しかし冒頭の女性の例は、そんな私たちの思い込みに揺さぶりをかける。

おそらく女性はこう考えていたはずだ。

恋愛する方がハードルが低いから、ハードルの高い結婚でフィルターを設定すればうまくいく。


これが誤算だった。


陥ったのは、こういう状況だ。

inとoutで考えることで、より顕在化されるハードル。

今回顕在化したハードルは彼女にとって「想定以上に高かった」ということが判明した。

◾️結婚相手≒恋愛相手の難しさ


今、冒頭の彼女と同じ状況に陥っている人は多いはずだ。

それはマッチングアプリの台頭で「結婚ありきの恋愛」が台頭したことに起因する。

inとoutのフレームで言えば、こんな状況がはじまっている。

アプリのおかげで、各人が考える「結婚相手に求める条件」に当てはまる人がたくさん見つかるようになった。

つまり結婚相手を探すハードルが低くなった

その結果、相対的にハードルが高くなったのが「恋愛相手」を見つけることなのではないだろうか。

恋愛をきっかけに結婚するのか。結婚をきっかけに恋愛するのか。どちらのハードルを越えるのか。

今、結婚相手と恋愛相手のハードルはちょうど同等になっているのかもしれない。

そもそも「結婚」「恋愛」「子育て」を1人に集約するのが無理ゲーなのではないか?とする「ロマンティックラブ・イデオロギー」という考えて方もあります。以前書いたそちらのnoteも好評だったのでよかったらどうぞ。
今、学生が論文のテーマに選ぶ「ロマンティック・ラブ・イデオロギー」とは。

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小島 雄一郎
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