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みんなで、デジタル教科書を、デジタル・トランスフォーメーションしてみよう!

「デジタル教科書」って、言葉を変に思わないのですか?

 私は、やや人と思考回路が異なるのだろうか?理由は、以下のデジタル教科書の記事に、かなりの違和感を覚えたからである。

 もちろん、文章に間違いもないし、文部科学省が行なっていることも理解できる。でも、「デジタル教科書」って、「紙の教科書」を、タブレットやパソコンなどデジタル・デバイスに載せ替えることなのでしょうか?
 もちろん、デジタル・デバイスに教科書を移行することで、デジタルならでは表現力が活用できて、図やアニメなど、今までにない表示方法は活用できる。

 ここで、重要なのは、教科書とは、「紙」の「本」に印刷して配布する形態を使った形式で、「紙」の良さと、「本」の良さを活用している。これから、考えるデジタル教科書は、本来は、デジタル・デバイスの良さを考慮して、再定義すべきなのではないだろうか。

デジタル教科書、改め「デジタル・わらばん紙」を定義しよう

 上記のデジタル教科書の記事に、以下のように、デジタル教科書の定義があります。

デジタル教科書
タブレット端末などのデジタル機器に映し出す教科書を指す。日本では学校教育法で「検定教科書の内容を記録した電磁的教材」と定められ、検定済みの紙の教科書と同一の内容のものが使用を認められている。ページの拡大や書き込んだ内容の保存、文字の背景色を変えて強調するといった機能を備え、補助教材と組み合わせれば学習に関連した動画やアニメーションを視聴できる。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUE2046Y0Q2A720C2000000/

 上記の定義には、デジタルの良さはあまり触れられていない。
 例えば、デジタル・メディアの特徴である、双方向性については、活用していない。今での許可書は、印刷物だったので、生徒は別にノートを持参して、教科書とノートの2冊を持参していた。しかし、デジタル教科書、改め「デジタル・わらばん紙」では、生徒が、この教材に書き込めば、ノートは不要だ。
 黒板も、デジタル化できれば、この「デジタル・わらばん紙」に連動することができて、生徒はもっと先生の言葉に注目できるだろう。

黒板は、これからも残るのかな?


 先生の宿題、つまり「わらばん紙」の機能も、このデジタル・メディアには組み込めるはずだ。検定教材に関係する、宿題を、先生がこの「デジタル・わらばん紙」に、転送すれば、生徒は同じデバイスに宿題を行う。そして、デジタル・メディアは、ネットワークに接続可能であれば、先生は、生徒が宿題が終われば、すぐに確認することだって、可能なのである。

グループワークを行う筆者、こんなワークもデジタル化すれば、
「デジタル・わらばん紙」と連動可能だ


デジタル・トランスフォーメーションが重要

 実は、この「デジタル教科書」という言葉は、教科書のデジタル化にしかすぎない。日本は、教育においても、一層強化しないといけないのであれば、きちんと「教科書」をデジタル・トランスフォーメーションして、「デジタル・わらばん紙」のような、新しい定義が必要なのではないだろうか。
 ちなみに、私の最大のこの記事の違和感は、このデジタル教科書の取り組みは、数年前に、「本の自炊」という、紙の書籍をスキャンして、デジタル化している取り組みに近い感じを覚えたからである。実は、それなら、今でも行えることであり、「文科省24年度導入」と、国を巻き込む大きな話題ではないのではないだろう。
 きちんと「教科書」のデジタル・トランスフォーメーションを、「教育」の専門家、「デジタル」の専門家の双方の意見を交えて、行なっても良いのではないだろうか。
 少なくとも、国の教育は、もっとみんなで、アイディアを出しても良いのだろう。みんなで、「デジタル教科書」を創造することは、本当にこの国の教育の将来を考えることにつながるはずだ。

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本間 充 マーケティングサイエンスラボ所長/アビームコンサルティング顧問
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