EU経済にとって最悪のシナリオとは・・・

いくらECBが正常化に邁進するといっても、結局「強いのはドイツのだけ」という状況が変わらない以上、その程度はたかが知れているわけで、利上げまで辿り着くのは相当先でしょう。恐らく、ドイツにとっては不本意なレベルで挫折するはずです。

 ECBひいてはEUにとって「最悪のシナリオ」は正常化の途上で周縁国が引き締めに音を上げる一方、ドイツがバブルの様相を呈し、金融政策が股裂き状態になることでしょう。こうなった場合、ECBが弱者側に立つことになることは目に見えているので(というかそもそも政策理事会は多数決ゆえ)、間違いなくドイツとそれ以外の溝が決定的になります。厄介なことにそうなった場合の解決策は特になさそう・・・ということです。そうならないように、今からドイツは周縁国に対する所得移転策を何らか進めておくことが期待されるわけですが、基本的には国民感情に配慮しそうした策は避けてきた経緯がありました。しかし、あの難民危機を乗り切って4選が確実視されるメルケル独首相ならばそれが出来るはず・・・と私は思うのですが、果たして。

https://jp.reuters.com/article/germany-bank-buch-idJPKBN19U10G

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