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「自国優先の内向き状態」からいかにアジアは協調に動けるか

アジアの政治や経済について討議する第27回国際交流会議「アジアの未来」(日本経済新聞社主催)をオンライン視聴しました。

マレーシアのイスマイルサブリ首相は新型コロナウィルスやウクライナ進行から影響を受けた供給網(サプライチェーン)についても触れていました。

世界では自国優先の内向き傾向が広がり、エネルギーや食料問題などが危機的な状況になっています。例えば、インドでは小麦に続き、砂糖も輸出制限を発表しました。

マレーシア政府は6月1日から鶏肉の輸出を事実上禁止します。マレーシアに鶏肉を依存する隣国シンガポールの食卓を直撃し、スーパーでは買い占めによって一時新鮮な鶏肉が消えるという事態になりました。

ロシアのウクライナ侵攻で一部の食料品や飼料が高騰しており、インドもマレーシアも国内価格を安定させる狙いがあると感じます。国民生活を優先するというのは致し方がないものの、サプライチェーンの混乱は自給自足ができていない国には大きな影響を与えます。また、物価高も加速しそうです。

シンガポールは食料の約9割を輸入に依存しています。食料自給率を2030年までに30%まで引き上げることを目指しているようです。

都市国家であるシンガポールの農業用地は国土の1%だそうです。2019年からは、細胞培養肉などのフードテックやテクノロジーを活用した農業(アグリテック)を次の成長産業と位置付けて、産業育成を本格化しています。

目指すは30%の食料自給率達成(シンガポール)

今回の「アジアの未来」ではフードテックの企業の方も参加をしており、質問や議論などもあって興味深かったです。

日本の食料自給率は37.17%(2021年 農林水産省)です。また、飼料の大部分を輸入に頼っています。円安とインフレから輸入品の値上がりが避けられず、日本の食料品の価格も上昇し続けることが予測されます。

平和な時代は各国が得意なことに特化させ、輸入によって融通させればというという流れでした。しかし、新型コロナウィルスやウクライナ進行などからサプライチェーンが崩れ、不測な事態が起こりました。

このような時代ではエネルギーや資源がある国が有利になります。シンガポールや日本のような国はこの困難を克服していかなければなりません。また、各国が内向きで自国民を優先するなか、いかにして国同士が融通させていくことができるのかをアジア諸国は対話していかなければならないのでしょう。




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