財政再建は見果てぬ夢か?

「骨太2018」において、経済再生なくして財政健全化なしとの基本方針を堅持し、デフレ脱却・経済再生、歳出改革、歳入改革の三本柱の改革を加速、拡大することが決まった。団塊世代が75歳に入り始めるまでに財政健全化の道筋を確かなものとする必要がある、との考えから、日本政府は2025年度の国・地方を合わせたプライマリーバランスPB黒字化を目指す、と同時に債務残高対GDP比の安定的な引下げを目指すことを堅持する、ことを具体的な目標として掲げた。

同方針では、2019年10月の消費税率10%への引き上げを明記したが、同時に駆け込み需要・反動減を防ぐ費用として、大型景気対策を実施する方針を掲げている。

大型景気対策がどの程度の規模なのか、財源は何か、どういった景気対策が取られるのか、具体的にはわからない。規模の肥大化は慎む必要がある。

また、消費増税は使途の変更が前回の選挙にて既に決まっているため、消費増税を実施するとしても、財源を手当てする必要は出て来る。早くも、薬価の二年連続下げの他、株式の配当や譲渡益に課される金融所得課税を上げることなどが検討され始めた。今後も可能性のある部分で様々なアドバルーンが上がってくる可能性が懸念される。

財政再建はできるだけ余裕のあるうちに手を付けておくことが肝要だ。団塊世代が75歳に入り始めるまでの間は、自然と歳出にも余裕が出る。その間にいかに備えておくか、で将来の日本国の格付けにも大きな影響が出る。余裕があるからといってあぐらをかいていては、本当に財政再建など見果てぬ夢になってしまう。余裕をかましていたウサギが結果的に負けてしまうことは子供でも知っている。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO35246000R10C18A9EE8000/

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