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人生の最期、孤独になりがちな都道府県はどこか?【データ02】

未婚化だけがソロ社会の問題ではありません。

人生100年時代とか言われていますが、だからって「寿命が延びた」と、単純に喜べるような話ではないのです。いずれ夫婦のどちらか一方が先に死ぬことは間違いない。たとえ子どもがいたとしても同居しているとも限らない。人生の最期は、ほとんどの人が高齢でソロに戻る可能性があります。

つまり、人生100年時代とは、人生の最期をソロで過ごす期間が長くなるという意味でもあり、孤独死する人たちが増える時代とも言えるのです。

© PHOTO by 荒川和久

そんな高齢ソロがどの都道府県に多いのか?について調べてみました。65歳以上の未婚・離別死別の独身者の合計です。意地悪な言い方をすると「孤独死予備軍の多いランキング」です。※もちろん高齢独身がすべて単身世帯ではないので、そう断言はできませんが。

© 荒川和久

男性1位は沖縄、女性1位は青森なんですが…

それよりなにより驚愕するのは、高齢女性の独身率は全国平均でも49%であること。ほぼ半分の高齢女性は独身なんです。独身率50%を超える県が22もあることも驚きです。これは、夫に先立たれて一人になってしまった高齢女性が多いということですね。2035年の将来推計人口でも、高齢独身女性は約1200万人にも達します。但し、男性も平均約20%で500万人もいます。5人に一人の高齢男性も晩年独身に戻るのです。

なぜか九州地方の各県が男女とも独身率が高いというのも興味深いところです(黄色)。

高齢独身の女性と男性の比率差分を見てみましょう。

© 荒川和久

47都道府県全部女性の方が高いのですが、なぜか東北や北陸といった雪国は女性の独身率が男性より高い。一方、その差分が小さいのが関東周辺のエリアです。関東地方の男性が長生きなのか、逆に関東地方の女性が短命なのか、その原因まではわかりませんが、この傾向はおもしろいと思います。

孤独死のニュースは最近特に多くなっていますが、孤独死の7割は高齢の男性です。今の高齢者たちはまだ日本が皆婚社会だった頃の人たちですから、ほぼ全員が結婚していたわけです。つまり、今孤独死している高齢男性はほぼ全員が結婚していた人たちなんです。

「結婚しないと孤独死するぞ!」とよく既婚者が言いますが、あれって正しくは…

「結婚したところで誰もが孤独死する」リスクはあるし、もっと言えば

「孤独死している男のほとんどはかつて結婚していた」ってことです。

孤独死は、主に人とのつながりを遮断することに起因します。高齢独身者は圧倒的に女性が多いのに反して孤独死は男性が多いという事実は、男がいかに「人とつながる力」がないかということを証明しているでしょう。

「孤独に死ぬ」という心配以前に、「孤立せず生きる」ことを心がけることが大切ではないですか?

長年の会社勤めを辞めて、文筆家として独立しました。これからは、皆さまの支援が直接生活費になります。なにとぞサポートいただけると大変助かります。よろしくお願いします。