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5年前の想定より改善する年金財政

先日、政府から5年に一度公表される財政検証が示されましたが、メディアの不安をあおる報道ばかりで、きちんと理解されている国民は極めて少ないのではないでしょうか。

実際、今回6つの経済前提の下で試算されていますが、経済前提が前回よりかなり慎重化しているにもかかわらず、所得代替率(=年金額/現役世代賃金)は前回から上昇しています。

背景には、前回公表以降の女性や高齢者の就労増等により、前回の想定よりも年金財政が改善していることがあります。

ただ、記事にもある通り、実質額は代替率ほど減らない結果となってますが、この背景には、財政検証が物価上昇率より賃金上昇率が高くなることが前提になっていることがあります。

しかし近年、賃金上昇率が物価上昇率を上回ることがほとんどなく、今後もこの状況が変わらなければ、実質年金の目減りを意味します。

こうした点に留意しつつ、給付調整圧力を緩和すべく、高齢者の就労長期化を中心とした前向きな政策を進めていただきたいものです。

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永濱利廣(第一生命経済研究所首席エコノミスト)

第一生命経済研究所経済調査部首席エコノミスト。あしぎん総合研究所客員研究員、跡見学園女子大学マネジメント学部非常勤講師を兼務。総務省消費統計研究会委員、景気循環学会理事。専門は経済統計、マクロ経済分析。

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