シンガポールの世帯月収が100万円超に。日本との差は2倍以上
シンガポールの世帯月収の中央値が初めて100万円を超えました(統計局 2022年調べ)。
日本の世帯年収の中央値は437万円(2019年 国民生活基礎調査の概況|厚生労働省)なので、世帯年収の中央値は日本の2倍を超えたともいえそうです。
シンガポールでは共働きがスタンダードで、子供の勉強が本格的になる小中学生の頃に専業主婦率が高くなるようです。中野円佳著『教育大国シンガポール: 日本は何を学べるか』(光文社新書)によると、日本のようなM字カーブは見られずに、子供の学齢期にカーブが下がるキリン型になっているということです。
シンガポールでのフルタイムの月収の中央値は2022年は約50万円(5070シンガポールドル 社会保険料の企業負担込)で、2012年の3480シンガポールドルから1.5倍弱上昇したことになります(MOM)。これに対して日本の賃金の中央値は399万円で、約20年間でほとんど伸びていないのです。
中華系の家庭では夫婦が共働きでフルタイムで働き、祖父母やメイドが子供の世話をするというライフスタイルがよく見られます。日本でも共働き世帯が過半数となっているものの、パートタイムで働く女性がまだ多いのが現状です。日本でもシンガポールでも子供が小学校に入ると塾などの勉強のサポートの負担が大きく、フルタイムでの就労が難しいと推測されます。
シンガポールでの生活コスト
高い収入の裏でシンガポールでの生活コストもインフレの影響から上昇をしています。
シンガポールでの世帯での月の消費支出の平均は約50万円です。自動車を保有するための税金が高く、医療費の自己負担も高いなどの理由もあります。
https://www.singstat.gov.sg/-/media/files/publications/households/hes2223-info-pamphlet.ashx
収入も全てを使えるわけではなく、社会保険料として約37%前後将来のために備えられます(企業負担込)。ですが、自分の別アカウントとして蓄えられ、住宅取得、病気、老後など必要な時に備える形になります。
日本で2人以上の世帯の消費支出は月平均で29万865円(2022年 家計調査)です。シンガポールのほうが日本よりも稼いでより使うというイメージでしょう。