理由は円高と需要不足

日銀が物価が上がらない背景の再点検に着手するということですが、私は大きく理由が二つあると思います。

一つ目の理由は円高です。

日米欧のインフレ率とも自国の為替レートに大きく左右されやすい関係がありますから、足元の日本と欧米のインフレ率の格差は、特に年明け以降に進んだ円高の影響が大きいでしょう。

背景には、2月の株価調整やトランプの保護主義に端を発した世界の貿易摩擦懸念等によるリスクオフの要因が大きいと思いますが、年明けに日銀がオペの金額を減らしたことで、市場に過剰な日銀の出口観測をもたらしたことも一因でしょう。

二つ目は、日本がまだ需要不足だということです。

政府や日銀のGDPギャップはすでにプラスですが、国際比較ができるIMFのGDPギャップによれば、米国はすでにプラス、欧州ももうすぐプラスの一方で、日本は依然としてマイナスとなっています。

各国のインフレ率との関係からみても、IMFのほうが整合性が高いことからすれば、まだ需要不足の日本のインフレ率が低いのは当然の結果だと思います。

という意味では、既に需要不足が解消しつつある欧米が出口に向かう中で日本が向かえないのも当然の結果といえるでしょう。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO31813340V10C18A6I00000/

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