ハイブリッド型イベントを2つ終えてみて
2月24日のat Will Work Conference 2021に続き、3月2日・3日は竹芝のPORT HALLでPlug and Play JapanのSummit、いわゆるデモデイ(成果発表会)の東京編を実施しました。
元々の予定では、200名ほど参加者を会場に入れる形式を予定していましたが、緊急事態宣言の延長に伴い関係者のみ(登壇者)とat Will Work Conferenceと同じ形になりました。会場からの配信を中心として、オンラインでの登壇者も入り、視聴は基本的にオンラインという形式です。
at Will Work Conferenceもそうですが、Plug and Playでも今回”会場からの配信”にこだわったのには理由があります。
昨年のat Will Work Conferenceは会場からの配信でしたが、9月に実施したPlug and Play JapanのFall Summit は全面オンライン。オフィスの一角をスタジオのようにして、MCのみ会場からという形になりました。
9月のデモデイでは、3月に実施できなかった分も一緒にやること、また採択スタートアップが世界中にいるため、全てのスタートアップが日本時間で登壇するためには、全てのタイムゾーンに配慮して朝:北米、昼:アジア、午後:ヨーロッパとする必要があり、そう考えると6つのテーマ別プログラムそれぞれが”1日”を使って実施することが決定しました。また、そうなると6日間会場を使ってやるというのも現実的ではなく、会社をスタジオ化して開催するという結論に達しました。
しかし頭によぎったのが、Summitの少し前に実施した「STAGE」での様子でした。この時も会場には登壇者しか入らず、配信で視聴いただくスタイルでしたがやはり”ステージ”でピッチをするスタートアップの皆さんの姿がとても素敵で、また会場が持つ雰囲気、そして緊張感がとても重要だと改めて感じたのです。そして次回は必ずリアル会場でやろう、と心に決めたのでした。
ただ、私が心に決めたとしても「ではやりましょう」と簡単に決められないのがコロナ禍のイベント。at Will Work ConferenceとPlug and Play Japan Summitは1週間違いの開催のため、両方とも感染者数の推移とあらゆる予測を睨めっこしながら準備を進めていましたが、昨年末はそれぞれ参加者を会場に入れる前提で準備をしていました。
そして年明け、8日発令されたのが2度目の緊急事態宣言です。
参加者を入れられない、というシナリオも準備はしていても実際に緊急事態宣言が出て、やりたかったことが完全にはできない残念さを感じると共に、どうやって安全に運営できるのか、そして同時にこの条件下で”最高のカンファレンスができるのか”を考える必要がありました。
加えてチームで何度も話し合ったのが登壇者の方が急遽感染したり、体調不良の場合どう対処するのか、ということ。期限を設けてのコミュニケーションももちろんですが、実際は前日に(流石に当日はなかったのですが)体調に不安のある方が何名かいらっしゃって、急遽オンラインに変更するということもありました。これからのイベントやカンファレンスは、今までとは違う臨機応変さが求められるということをいやというほど痛感しました。
通常のオフラインイベントもさまざまなことが起きます。例えば音やスライドなどが上手く出ない、受付システムでトラブル、そして登壇者が来ない(!)等。オンラインイベントになってのトラブルは、配信が止まってしまったり、登壇者の通信環境が悪かったり、スライドが上手く共有されなかったり、ミュートのまま話していたり・・。そして、会場を使って配信していくハイブリッド型を二つ実施してみて改めて実感したのは、ハイブリッドだとオフラインとオンラインの両方のトラブルが同時に起こる可能性があるということです。当たり前、といえば当たり前なのですが(笑)
ハイブリッド型のイベントは、オンラインのみ・オフラインのみと比較すると1.5倍から2倍ほどの予算がかかります。配信の仕組みを追加しなければいけないためです。登壇者がオフライン・オンライン両方にいると、その運営の複雑さも増します。
それでも。やはり今回やってみてリアルな会場でのイベントはいい、と痛感しました。会場での雰囲気ももちろんですが、オンラインであることで国内外問わずとても多くの方にご視聴いただけるのもまた一つの大きなポイント。
ただ、まだまだ難しい部分も沢山残っています。カンファレンスはもちろん、これからは演劇なども同様にハイブリッドをどう実施していくのか、またはやはりオンラインは難しいと判断するのか、様々な人が挑戦しそして悩むと思います。
医療関係者のワクチン接種が始まり、これから私たちにもその順番が回ってきます。でも、まだ具体的なスケジュールもわからない部分も多く、コロナ前の生活に完全に戻るまでにはまだまだ長い時間がかかりそうです。
1年前にat Will Workカンファレンスをオンライン化した時と同じように、ハイブリッド型のカンファレンス・イベントについてもこれから実施していく人たちに私たちがやったこと・やらなかったこと、成功したこと・失敗したことなどまた話して行きたいと思います。