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便利な世の中に残るペインを解消する テクノロジーが切り開く新たな世界

こんにちは、電脳コラムニストの村上です。

40歳を過ぎてから急速に視力が悪化しました。30代当初までは1.5~2.0をキープしていており視力の悩みは皆無だったのですが、その後ぐんぐんと低下。今では数値は半減となり、乱視と老眼が始まってきました。去年、ついに遠近両用メガネデビューを果たしました(意外と快適です)。

視力が低下し始めたタイミングと、スマホが普及し始めたのがちょうど同じくらい。因果関係はよくわかりませんが、近くで小さい画面を凝視する時間が増えたのは間違いなく、視力低下に大きく貢献している気がします。

幸いメガネなしでも日常生活に支障はないものの、車を運転するときや仕事でPCに向かう時などはピントが微妙に合わないストレスを感じます。その場合はピントを常に合わせようとするため、目の周辺の筋肉の緊張が続き疲労が溜まるようです。眼科医の方のアドバイスは、遠近両用メガネを常用するのがよいとのでした。

そんなときに目にしたのが「オートフォーカスのメガネ」。一昨年にクラウドファンディングで公開されたときに、真っ先に申し込みました。

プロジェクトの資金を賛同者から集めるクラウドファンディングサイトからは消費者のペイン(痛み)が見えてくる。便利な世の中になってもなお解消されていない切実なペインがあり、ビジネスのチャンスがある。そう痛感したのが「ヴィクシオンゼロワン」。自動でピントを調節する次世代アイウエアだ。

二子玉川の蔦屋家電(東京・世田谷)のショールームに展示されていたアイウエアを見にきたという50代の女性は近視と乱視、老眼を抱えていた。「遠近両用眼鏡を買って使っているがなかなか慣れなくて」。見る対象物の距離に応じて自動でピントを合わせ、近くも遠くもはっきり見ることができる商品があるとネットで知り、興味を持った。

日経電子版

実際に使ってみるとなかなか便利なものでしたが、バッテリーの持ちと装着感がしっくりこず、常用するまでには至っていません。しかし、この先にはすごい未来があるかもしれないという期待感を感じるには十分な製品でした。

生成AIにより24時間いつでもブレストに付き合ってくれる相手ができ、調べ物もしてくれるようになりました。いわば、脳が拡張したような感覚です。別にわたしの脳ではないのでむしろ自身は退化しているのではないかと思うときもありますが、テクノロジーによりできないことが可能になることは社会に大きなインパクトをもたらします。

眼鏡が発明される前は、視力が悪いというのは相当な苦労があったはずです。車椅子などもそうでしょう。最近では電動のものが進化したため、ユーザーひとりでも出かけられるようになりました。身体拡張を研究している東大の稲見先生は、以下のように語っています。

――人々の身体に対する捉え方も変化していくのでしょうか。

「動物としてのヒトは裸だが、実際に裸で出歩くことはない。人間は服が自分の身体の表面だと理解している。身体拡張でも同じことが起きるのではないか。服を着替えるように新しい身体に着替える。それは1つの身体とは限らないし、人間とは異なる形をしているかもしれない」

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これは非常に示唆に富む指摘です。SNS全盛の現代においては、自分の属する(と認識している)社会の「境界」も変化しているのではないでしょうか。現代のテクノロジーの可能性にワクワクすると同時に、悪用を防ぐための対策も同時に考える必要があります。今、自分の帰属意識が何によるものなのか、一度落ち着いて自己分析してみたいと思います。


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タイトル画像提供:World Image / PIXTA(ピクスタ)

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