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アイデアをもって仕事をするために

元サッカー日本代表のオシムさんが亡くなられました。
御冥福をお祈りいたします。

自分は幼稚園から大学生までずっとサッカーをやっていまして、書籍オシムの言葉は高校生の時に読んで、サッカーの奥深さ、サッカーと人生はこんなに繋がって考えられるものなのか…と感銘を受けたのを今でも覚えています。

改めて読み返している中で、オシムさんの残した言葉や、日本で実践されたことは、ビジネスパーソンこそ学ぶべきことに溢れていると感じています。

オシムさんの言葉から何が学べるのか?

改めて整理をしてみました。

極限の状態でアイデアを考える経験や訓練を積む

まず、オシムさんは「アイデアを持ち合わせること」を強調して何度も伝えています。

下記の引用は、オシムさんの母国ボスニア・ヘルツェゴビナについて語っている言葉です。

「歴史的にあの地域の人間はアイデアを持ち合わせていないと生きていけない。目の前の困難にどう対処するのか、どう強大な敵のウラをかくのか、それが民衆の命題だ。もちろんそれは物を盗むとか、人を騙すとかそんなことではない。今日は生きた。でも明日になれば何が起こるか分からない。そんな場所では、人々は問題解決のアイデアを持たなければならなくなるのは当然だ」

オシムの言葉

オシムの練習は90分のみで居残り練習は禁止だったという。ただ、この90分のトレーニングが、プロの選手たちが頭も身体も疲れる果てるほどだったとのエピソードが紹介されていました。

普段の仕事でも、アイデアはどうやったら出せるのでしょうか?

アイデア発想法を身につけるとか、インプットをたくさんすることよりも大切なことは極限状態でアイデアを出す場数を増やすこと

自分が1日の中で、アイデアを極限の集中状態で出す時間をつくれているのか?

はいつも振り返るようにしたい…

では、どうやって極限状態でアイデアを出すと良いかは、この後に書いていきます。

危機・集中・リラックスの3つを組み合わせる

命の危険が脅かされる経験は、日本に住んでいて簡単にできることではありません(というより、望んでその環境を用意するものではない)

しかし、オシムさんがサッカーのトレーニングで実践されたような、超集中状態で仕事をする環境はつくれると考えています。

こちらのICCカンファレンスの記事が「危機的な状況でこそアイデアが出ること」について書かれていて興味深いです。

これは面白いエピソード。

アインシュタインが一般相対性理論を作った時、奥さんと離婚訴訟中なのです。強烈なストレスがかかっている時の方が良い仕事をする。

ゾーン(究極の集中状態)に入るための3つのステップ。「ストレス」「リラックス」「集中」

ゾーン(究極の集中状態)に入るのが上手なのは、お坊さんらしく、お坊さんのルーチンは下記のように説明されています。

彼らは、「思いやり瞑想」というのをやります。これはどうやるかと言うと、脳内で可哀想な人たちのことを思い浮かべるのです。脳にストレスをかけているわけです。そして、この人たちを何とかして助けてあげたいという瞑想をする。ですから、一回脳に負荷をかけているのです。
それから、一回脳へ負荷をかけた後に、ステップ2に一気にリラックスするというのがある。

中略

例えば、3・2・5法というのがあります。3秒吸って、2秒溜めて、5秒ゆっくり吐くと、もう一気にリラックスできるのです。何故2秒溜めるかと言うと溜めた方が酸素の交換が上手くいくのです。だから、崖の上から飛び降りる時には「うわー」となるはずでしょう。そこでフーとゆっくり吐くとリラックスできる。そして、ステップ3が、やるべき行為に集中するということなのです。

まとめると、仕事に取り組む前に、下記のようなルーチンを設計することで、超集中状態に入ることができると整理しています。

1. 危機を感じる状況をつくる
例:顧客の感じている痛みや課題を想像する、仕事の目的を確認する
2. リラックスをする
例:呼吸法(3・2・5法)を使う
3. 実行する
例:ポモドーロメソッド(25分集中・5分休憩サイクル)を活用する

自分も実践してみていますが、日常の仕事にも取り入れやすくオススメです!

アイデアを考え続けた先にある自分たち"らしさ"

最後に、オシムさんの言葉に戻ります。

オシムさんの言葉で最も印象に残っているのは、「日本サッカーを日本化する」という発言です。

世界に追いつこう、世界のサッカーから盗もうと考えることが一般的な仲で、外国人監督が日本の独自性を研ぎ澄ませようと実践、発言したのです。

イミテーションを繰り返しても、彼らを超えることはできない。日本はコンプレックスから開放されて、自分たちのストロングポイントを自覚するべきだ。

オシムの名言

良いと言われているものを猿真似するのは思考停止である
頭をフル回転させて日々アイデアを出すことが独自性を創ることにつながる

独自性は、日々全力でアイデアを出し続けることで磨かれる。

自分はサッカーのフィールドではないですが、仕事の中でオシムさんの教えを実践していきたいと思います。

「ある選手が、そういったアイデアを身に付けているかどうかは、サッカーのプレーを見なくても、普段からの言動を見ていれば予想できる」

だれの真似もする必要はない。自分たちの道を探さなければならない。