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実現力を高める「Will」の力:EMC SUMMITに学ぶ目標実現のアプローチ

先日、武蔵野大学アントレプレナーシップ学部が主催するEMC SUMMITというカンファレンスに参加させていただきました。

EMC SUMMITは、3年前に誕生した武蔵野大学アントレプレナーシップ学部の学生たちが取り組んできたプロジェクトの発表をする「場」(カンファレンス)で、2024年1月27日に開催され最終的にはオフライン、オンライン含め約1,000人参加したそうです。

EMC SUMMITに参加し、学生の皆さまの発表、姿勢を通じて大切な気づきをいただいたので、今回はそのことについて書かせていただきます。


武蔵野大学アントレプレナーシップ学部とは

武蔵野大学のアントレプレナーシップ学部、通称 武蔵野EMCは2021年4月に新設された読んで字の如く、アントレプレナーシップを育む学部です。

カリキュラムに関しては、学部の紹介サイトで下記のように紹介されています。

カリキュラムは、プロジェクト型の「実践科目」を中心に、社会に対する好奇心や挑戦する情熱を育む「マインド科目」、アイデアを実行しカタチにするための「事業推進スキル科目」の3本柱とし、「ことを成す」ために必要な要素を身につけていきます。授業スタイルは、すべてグループ学習/事例研究/対話/ゲスト起業家との対話など、双方向に学ぶアクティブラーニングスタイルを徹底します。

武蔵野大学アントレプレナーシップ学部 本サイトより


そして、下記の4つが武蔵野EMCの特長となっています。

1. カリキュラムは実践中心、授業の中で起業を目指す。
2. 教員は現役の実務家が中心
3. 1年次は全員が学生寮で共に学ぶ
4. 全員が海外短期留学を経験、世界を知る

武蔵野大学アントレプレナーシップ学部 本サイトより

この特長の中でも、「ことを成す」人を育てるために、教員はベンチャー企業の経営者、NPO創業者など、実務家が中心となっている部分がとてもユニークであり、意義深いと感じています。そして学部長には、LINEヤフーアカデミア学長でもある伊藤羊一さんが就任し、学部の新設時から学生寮に住み込み、学生たちと併走しています。このように、実際に成功、失敗含め様々な実務を経験し、それぞれが自身のアントレプレナーシップについて語り、伝えることが出来る教員たちが集まっていることで学生たちにとって最も大切な要素の1つであるアントレプレナーシップを育む「環境」がある「場」となっているのです。

EMC SUMMIT で感じた「ならでは感」

2024年1月27日にBASE Qの大ホールで開催されたEMC SUMMITは、伊藤羊一さんによるオープニングトークに始まり、続いて、武蔵野EMC教授陣であるお三方、株式会社LEO 代表取締役 / なごのキャンパス企画運営 プロデューサー粟生 万琴さん、株式会社GRA 代表取締役CEO 岩佐 大輝さん、エール株式会社 取締役篠田 真貴子さんによるトークセッションを通じて、武蔵野EMCがどのような、そして選抜された11組の学生チームによるプロジェクト発表へと続いていきました。その後、昨年大きな話題を呼んだ「あの夏を取り戻せ」プロジェクトの代表 大武 優斗さんによるトークセッションがあり、最後にプロジェクト発表の受賞者発表で締めくくられました。

プロジェクト発表の様子

そして、EMC SUMMITの各セッション、発表を通じて、1つ感じたことがありました。それは「"自分ごと"であることの強さ」です。様々なプロジェクトの発表や、「あの夏を取り戻せ」プロジェクトの大武さんのお話などを聞いていて、心に響く言葉、周りを巻き込んでいるプロジェクトは、発案者の原体験に基づいてプロジェクトが立ち上がっており、それゆえ発案者が発する言葉に他の人では生み出せない熱量がありました。

”自分ごと”=”ならでは感"

プロジェクトの原動力が"自分ごと"であることによって、”その人ならでは”のプロジェクトになるのです。この"ならでは感"によって、プロジェクトそのもののユニーク性が高まり、内容を聞いた周りの人の心に残るのです。結果として、周りの人に伝播し、仲間が増えていくのだと思います。

Will → Can

あの夏を取り戻せプロジェクトの大武 優斗さんのトークセッションの中で、武蔵野EMCが大事にしているベースの考えに触れました。

大武さんのプロジェクト「あの夏を取り戻せ」はコロナ禍で実施できなかった2020年の甲子園を、全国から当時の49チームを集め、2023年11月29日に甲子園での全国元高校球児野球大会を実施したプロジェクトです。

戦後初めて夏の甲子園が中止された2020年。
当時高校三年生で野球部だった大武優斗が発起人となり、
学生や若者だけで「あの夏を取り戻せ」全国元高校球児野球大会を
運営することを決定しました。

全国から49チームを集め、本大会をあの「甲子園」で行いたい
という想いから、甲子園での開催を目指します。

「あの夏を取り戻せ」公式サイトより

トークセッションの中で、大武さんは
Can -> Will ではなく、Will -> Can である。」
ということを仰ってました。

ここでいうWillとは「自分が実現したいこと」であり、Canは「自分にできること」を意味します。

Can -> Will ではなく、Will -> Can である。」これはとても大事な考えです。通常、「自分は◯◯をやることが出来るから、◎◎を実現するんだ」というアプローチで考えがちです。しかし、この考え方だと、自分のその時点で持っているスキルの範囲の中で実現することを考えることになってしまいます。

アプローチを変え、「自分は◎◎を実現するんだ!」からスタートすると、◎◎を実現するために、色々と考え、動き、結果として出来ることが増えていくのです。そして、スタート地点となる「Will」はまさに自分ごとであり、ならでは感のある思いがベースになるのです。

大武さんは色々なことが出来たから「あの夏を取り戻す」というWillを見つけたのではなく、あの夏を取り戻したいというWillがあったから様々なチャレンジをし、結果やれること(Can)が増え、Willを実現したのです。

まとめ

EMC SUMMITの参加を通じて、改めて私自身のWillは何であるのかしっかりと向き合いたいと思いました。そして

Willを言語化し、発信する。そしてそのWillに共感する仲間と共に、能動的に様々なチャレンジをし、出来ること(Can)を増やし、Willの実現を追いかけていこう。

と決意を新たにしました。そして、このアプローチは、拙著「コミュニティづくりの教科書」の中でも述べている「自分が実現したい思いを旗印に仲間を集め、フラットな関係のもと能動的に動き、思いを形にしていく。」という「コミュニティ思考」のアプローチであることにも気づきました。

プロジェクトや事業を始める上で、コミュニティ思考を意識しながら、自分たちのWillは何であるかをしっかりと考えるところからスタートし、動いていくことで、より多くの人の共感を生み、成功の確率を上げられる。そのように感じました。

皆さまも是非一度、ご自身の「Will」が何であるか向き合っていただければと思います。



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