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COP27の意義:これまでの公約の実行となるか

11月6日にエジプトにて始まったCOP27は18日に閉幕する。今年の会議の中心テーマは「実行」で、昨年のCOP26 で掲げられた目標を実現するための具体的な行動を確実に進めることが焦点となる。COP26 閉幕時に参加したすべての締約国は「国が決定する貢献(NDC)」を強化し、一段と野心的なものにすることを約束した。


だがこれまでのところ、温室効果ガス主要排出国は軒並みこの公約を実行していない。EUはNDCの野心的な目標を強化する意向を示しており、今COP27が終了して以降、年末までの間に新たな目標が示されると見られる。おそらくはEUが2030年までの全体的な二酸化炭素排出量削減目標を55%から60-65%に引き上げるか、メタン削減公約を強化するのではないだろうか。

COP27では「適応」が現代の気候変動の結果として必要になる日常生活の調整として中心的テーマになる。パリ協定第8条は極端な気候イベントに関わる「損失と損害(ロス・アンド・ダメージ)」の概念を規定し、さらに各国が損失と損害の影響を最小化、もしくは回避するため、もしくは既に発生している損失と損害を縮小するためにどのような行動をとるべきかを規定している。この分野にどれ程の資金を集めることが出来るか。

気候適応資金の拠出に対して、反対意見が出される可能性もあり、先進国は自らが高排出国に名を連ねていることを踏まえ、世界の自然災害の発生にある程度の責任を負っていることを認めることが必要だ。米国のケリー大統領特使は、気候変動が引き起こす将来の自然災害の緩和と防止を重視したいと述べたが、米国IRAでは米国外の適応にはほとんど貢献できない。かといって、欧州からの資金拠出が可能かと言えば、経済自体が強い逆風に晒されており、難しい。その中では、EUとモロッコは2020年代末までにEUが再生可能エネルギーとグリーン水素インフラに18億ユーロ前後を投資するとした最近の合意を活用していくことになる。クリーンエネルギーをモロッコで生み出し、EUに輸出するといった仕組みがそれで、こうした協力・連携をどの程度起こせるか、が鍵かもしれない。


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