見出し画像

天職。そういう仕事、そう言える仕事が見つかったらいいな、と自分も学生の頃に思っていた。

もともと、学生の頃には資格を取って独立することを夢見ていたので、留年までして目指したのにそれがままならず、諦めて会社に入らざるを得なかったことは、最悪と言っていい社会人生活のスタートだった。そのうえ、最初に割り当てられた仕事は、自分には向かない、だからやりたくないと思っていた営業職だった。

それでも、先輩や同僚に恵まれ、お客様に恵まれて、右も左も分からないながら仕事をするうちに、少しづつ仕事が楽しいと思えるようになっていった。

・・・と、昔話を続けても意味がないので、結論を先に言うと、自分は段々に天職に近づいているような感覚がある。まだまだだけれど、今でもかなり天職に近い仕事をしているように思う。そう思えるのは、社会人の途中から「自分の仕事を創る」という発想に切替えられたからかもしれない。

天職というと「探すもの」という考え方が強いのではないだろうか。「職探し」という言葉があるくらいだから、職業一般に探すもの、というのが普通の考え方なのだろう。

一方で、自分の今の感覚では、職は、探してもいいけれど、「創る」という考え方があってもいいではないか、と思っている。天職であればなおさら、というよりも、自分が自分に合わせて創るものは、天職と言えるものになっていくのが自然なことではないだろうか

探す「職」は、既製品の服のように、なかなか自分にフィットするものが見つからない。色は好きだけれどサイズが合わないとか、ここにポケットがあればいいのに、とか、程度の差はあっても何かしら妥協しなければならないことが普通だと思う。たまたますべてがピッタリの服が見つかったら、それはかなりラッキー。そうやって天職を見つける人も、数は少ないけれどいるのだとは思う。

でも、「天職」といえるものをそうやって見つけられる人は、本当に限られるだろう。だったら、自分に合う職を創ってしまえばいいんじゃないか。オーダーメイドの服を作るように

ではどうやって創るか。結果論だけれど、自分が仕事をしてきたことを振り返ると、天職をつくるために必要な要素は次の4つだろうか。

・仕事の基本を覚えられる経験をする
いわゆる「営業」の仕事には、職の基本が詰まっているように思う。自分も望まずして就いた営業の仕事が今も基礎になっている。一人で仕事をするにせよチーム・組織でするにせよ、お客様をみつけるところから対価(一般的にはお金)を受け取るまでが「仕事」なので、その流れを体得しておくことは欠かせない。

・自分が興味を持てる仕事を、幾つか経験する
社内の部署異動でもいいし転職でもいい。出向でもいいし副業でもいいので、とにかく自分がやりたいと思う仕事をしてみる。やってみてフィットすると感じたら深く掘り下げてみる。そういう仕事をいくつか、異なるジャンルで見つける。なお、やってみて合わないと思ったら、無理をする必要はないので迷惑をかけないように手を引く。

・必要な定型的スキルを身につける
海外との仕事をするなら英語は必須だし、ソフトウェアを作るにはプログラミングのスキルが求められる。自分のやりたいことの方向に進むために、求められるスキル(知識・経験・資格など)を身につけることは欠かせない。

・天職を実現するための人とのつながりを持つ
既に同じような仕事をしている人、その仕事に関わる周辺の仕事をしている人、お客様になってくれそうな人、批判も含めてアドバイスをもらえる人、情報を提供してくれる人、物心両面で支えて応援してくれる人、などなど、人とのつながりを作り大切にすること。そう考えると、あらゆる人とのつながりが大切なものになる。ただ、自分との相性が良い人だけでいいと思う。

必要な要素がそろったら、それを組み合わせてみる。自分で組み合わせることもあるだろうけれど、案外、働いていく中でそういう組み合わせを外部から求められたり、会社の中であれば業務命令されることもあるかもしれない。仕事として成り立つ可能性があるものなら、自ずとその組み合わせに着目する人が出てきて「天職」に巻き込んでくれる。

少し抽象的だったかもしれないけれど、(天)職を自分で創る、という気持ちをもって、自分で出来る準備をしていると、不思議と必要な条件が揃っていったりする。そして、そういう準備を繰り返していると、さらに次はもっと天職度が上がった仕事に恵まれるように思う。

偶然とか運の要素がとても強いことではある。それに恵まれたことは間違いないけれど、社会人としてどん底から出発した自分の仕事が、ゆるやかだけれど右肩上がりに、自分の望む仕事になり、やりがいが増していく。これは、あてがわれた仕事をするだけではなく、自分なりの準備・努力もしながら仕事を創ってきた結果、天職への道筋に乗ったということなのだと思っている。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?